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UPDATE|2023/07/23

今までのクドカン作品と何が違う? Netflixドラマ『離婚しようよ』で見せた“家族”の新しいカタチ

『離婚しようよ』キーアート

2023年6月より配信されたNetflixシリーズ『離婚しようよ』は、宮藤官九郎と大石静の共同脚本による「離婚」をテーマにしたホームコメディだ。さまざまな家族を描いてきた宮藤の“新境地”とも呼べるドラマなのだが、今までのクドカン作品といったい何が違うのだろうか。

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物語の内容は、イケメン三世議員・東海林大志(松坂桃李)と、その妻で国民的女優の黒澤ゆい(仲里依紗)が様々な事情を乗り越え、「離婚」という揺るぎない目標に向かって突き進んでいくというもの。

宮藤が男性視点、大石が女性視点を担当しているようで、本人たちのインタビューでも「交換日記」のような方法で脚本を書き継いだと語っていた。

そんな同作の醍醐味は、「家族」の形態とその軽さにあるだろう。結婚・離婚に至るまでの葛藤や物語を描く従来のドラマとは異なり、『離婚しようよ』では離婚を決断した後の個人の行動と対応が物語の軸になっている。

そもそも日本社会における離婚は、建前や世間の目もあって極めてハードルが高い。そのハードルのせいで別れたくても別れられないでいるのが、大志とゆいなのだ。

愛媛の地方議員であり、政治家一家に生まれた大志にとって、愛媛を舞台にした連続ドラマで大ブレイクしたゆいとの婚姻関係は、好感度維持のために必要不可欠。

また彼女も彼女で“いい妻”のイメージで売っている分、簡単には別れられない。そういった意味で、家族や地元の人々から世間体を盾に「離婚」という選択肢を奪われてしまっているのだ。

なお、同作が配信されているNetflixは、世界190カ国以上で利用されているグローバルなプラットフォーム。そこで日本のしきたりや規律を下地にした家族の形を描くことで、日本社会の「違和感」を浮き彫りにする狙いがあるのかもしれない。


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