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UPDATE|2023/08/23

もっと強い自分になるために…乃木坂46新センター・井上和のパフォーマンス力と責任感

井上和/『ENTAME』2023年3・4月合併号(徳間書店)より


このように底力を秘めた5期生にあって、井上のパフォーマンスの高さは当初からずば抜けていた。これまで筆者は1期生から4期生を加入当初から見てきたが、井上にはいい意味で垢抜けていたのだ。端的に言えば、素人臭さが一切ない。“すでに完成されたアイドル”としての姿がそこにはあった。まず、最初に強烈な印象を受けたのは『新・乃木坂スター誕生!』でAIの『Story』をソロ歌唱したときのこと。番組収録の裏側を映した映像「新・乃木坂スター誕生!5期生の挑戦」では、緊張している姿も映し出されていたが、いざ本番となると周りの空気を一瞬で変えてしまえるほどの歌声を披露し、感動の渦に巻き込んだ。

今年2月に開催された『乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE』の5期生ライブでは、『Route 246』『僕だけの光』などでセンターに立った井上は、加入から1年の集大成としての姿をファンに届けた。そんな井上は自身が単独表紙を務めた『ENTAME(月刊エンタメ)2022年8月号』のインタビューの中で、歌うことについて下記のように語っている。

「私にとって『歌うこと』は上手い下手じゃなく、『楽しいこと』なんです」

この言葉からは、井上がこれまでファンの前で見せてきたパフォーマンスは自身が楽しむことで生まれたものだったと言える。アイドルである以上、歌唱力の高さが議論の的になりがちではあるが、根本的なことを言えば、総合芸術であるアイドルにとって歌唱力はひとつの要素に過ぎない。むしろ、井上の楽しんで歌うというスタンスこそがファンが求めていることなのではないだろうか。そのスタンスが井上のパフォーマンスを通して伝わるからこそ私たち彼女に魅了される。新曲のセンターはおそらく夏曲になることが予想されるが、彼女の楽しむ姿勢が存分に発揮される楽曲であってほしい。

同期の一ノ瀬美空は井上を「人一倍責任感が強く、気づいたら目で追っちゃうこともたまーにあるけれど、いつのまにか1人ぐんぐん成長し、期待を大きく上回ってくる。そんな努力ができる素敵な子です」と太鼓判を押していたが、井上は謙虚さを持ち合わせつつも、常に乃木坂46のために誰よりも努力を欠かさないメンバーだった。

そんな井上がこれからの目標に掲げていたのが「もっと強い自分になる」ということ(参考:『日経エンタテインメント! 2023年2月号』)。センター発表後の公式ブログでは「みなさんのために乃木坂46のためにメンバーのために今までの私に携わってくださった全ての方のために頑張りたいです。そうやって頑張ってきた事が一周回ってこれからの私に帰ってきたらすごく嬉しいなと思いますし少しだけ先の未来が明るく見えてきます」と意気込んだ。このセンター就任は、井上が強い自分になるための1歩になるはずだ。

一ノ瀬だけではなく、今回の選抜には同期のメンバーも多く選ばれており、決して1人で全てを背負うわけではない。もちろん、センター経験のある先輩たちも井上を支えてくれるだろう。井上には気負わずに、いつも通りのスタンスで駆け抜けてくれることが何よりの願いだ。井上の楽しむ気持ちを忘れずに、グループにフレッシュな魅力を届けてほしい。

※川崎桜の「崎」は「たつさき」。

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AUTHOR

川崎 龍也


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