FOLLOW US

UPDATE|2023/08/22

『VIVANT』乃木は“母”と結ばれ“父”を抹殺する? 物語はギリシア神話的な輪郭を帯び始めてきた

『VIVANT』第7話予告(TBS公式YouTubeより)

TBS系「日曜劇場」では放送されている『VIVANT』(TBS系)。8月20日(日)に放送された第6話では、乃木(堺雅人)と薫(二階堂ふみ)の仲も急接近し、物語は加速度を増した。(以下、ネタバレがあります)

【写真】モンゴルロケも敢行、大草原の中馬を駆る役所広司、二宮和也ら【5点】

「今回の日曜劇場『VIVANT』には一部過激な制裁シーンがありますので視聴にはご注意ください」

『VIVANT』第6話は、こんなテロップで幕を開ける。え、何ですかこれ。いきなり動悸が止まらないんですけど。

テロ組織テントの決算報告会議。どうやらこの組織は世界各国で誤送金工作を実施しているらしく、その総利益は5億9780万ドルに及ぶ。だが幹部の一人が金塊を現金化する際に、相場の差額で得た利益を着服していたことが発覚。怒りに震えるノゴーン・ベキ(役所広司)は、裏切り者を日本刀でバッサリと斬り捨てる。

この<制裁>の瞬間はシルエットで描かれ、血飛沫も上がらない。個人的には、「一部過激な制裁シーン」と警告するほど過激とも思えなかった。むしろ初っ端からテロップを流すことで、観客の不安を煽る効果を狙っているのではないかとさえ思えた。トゥーマッチなコテコテ演出がこのドラマの魅力だが、第6話も期待を裏切らないスタートだ。

そして今回は、天才ハッカー太田(飯沼愛)がその天才ぶりを発揮。別班にスカウトされた彼女は、GFL社の社長アリ(山中崇)から受け取った謎のメモを手がかりに、ハッキング技術を駆使してテントの所在を明らかにする。スーパーコンピューターでも解析できなかったという数字の羅列が、まさかQRコード的なものだったとは。常に想像の斜め上をいく展開が楽しすぎる。

それにしても、最初は誤送金事件の被疑者の一人でしかないと思われていた太田が、ここまで物語に大きく関与するキャラクターとは思わなかった。たった数時間のうちに乃木と黒須(松坂桃李)との間にバディ関係も築いていることだし、今後も別班のサポート・メンバーとして活躍する場面が見られそうだ。

AUTHOR

ルイ 竹島


RECOMMENDED おすすめの記事