6日放送の9話ではセリフ、表情でも魅せてくれた。妻に変わっていっていることを怒られた元気は「……無理だよ、そんなの。だって俺、知っちゃったんだもん。まみんが隣にいる幸せ」とこぼす。さらに、関係が修復された際には、「俺はさ、まみんをずっと好きでいればいいんでしょ?」と破顔する。
これまで妻の言っていることが理解できず、悩んできた元気。その苦しみを真剣な表情で吐露したかと思えば、愛する麻美と再び一緒にいられることに歓喜する。人によってはもしかすると苛立ちを感じてしまうかもしれないキャラクターだが、岡山のチャーミングさによって元気を魅力的な人間に仕上げた。
もちろん、岡山と見事な“バディ”を組んだ藤原さくらにも賛辞を送りたい。クールで、冷たいとさえ言える麻美を、リアルに演じきった。彼女自身が持つハスキーボイスもあいまってか本当にこういう人間なのではないかと思えるほどのはまり役で、だからこそ9話の最後にようやく見せてくれた笑顔は印象的だった。
今作品を通して新たな魅力を視聴者に提供してくれた岡山天音。我々の知らない引き出しをまだまだこれからも見せてくれることに期待したい。
【あわせて読む】現代の“結婚観”が浮き彫りに、『こっち向いてよ向井くん』であらわになった「幸せの迷子」の姿