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UPDATE|2023/08/30

現代の“結婚観”が浮き彫りに、『こっち向いてよ向井くん』であらわになった「幸せの迷子」の姿

『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ公式サイトより)

毎週水曜22時から放送されているドラマ『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ)。23日放送の第7話では、結婚して幸せになりたいから恋愛をする人もいれば、人生を楽しむひとつの要素として恋愛を考えている人もいる――そうした現代の“結婚観”が浮き彫りになった。

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雰囲気良し、性格良し、仕事もできるという三拍子そろった主人公・向井悟(赤楚衛二)は、元カノ・美和子(生田絵梨花)との別れを今も引きずって、気づけば10年恋をしていない。そんな彼の10年ぶりの恋を描く恋愛ドラマ『こっち向いてよ向井くん』。

これまでドラマで見てきた向井くんは、「ある程度の年齢に達したら、結婚して一定の幸せをつかみ取るんだ」と信じている。だが、具体的な行動に移していないために今の状況を招いているのだが、7話では結婚観について父親(光石研)から小さくない影響を受けていることが明かされる。

父・隆は単身赴任から帰ってくるなり、息子の結婚相手を探そうと動き始めて空回り。今どきあまり見ない親の動き方だが、その理由はあくまでも「息子の幸せのため」だ。結婚することが幸せにつながると考えており、実際向井くんも10年前に交際していた美和子とは結婚することで幸せになるんだと、信じて疑っていなかった。

だが、美和子は違った。「結婚しなくても幸せになれる」と考えており、「結婚していなければ寂しい」という父親の古い価値観と相対してきたことによる影響を大きく受けている。一人でも十分に幸せをつかみ取れるという考え方ゆえに、一家の大黒柱に憧れ、美和子に対して「守りたい」と口走った向井くんとは決定的に合わなかったわけだ。

結果として、7話の最後に向井くんは美和子との完全な別れを決意する。向井くんは「結婚しなくても幸せになれるというロジック」が理解できず、美和子は父による呪縛を解放するため、人生を懸けて「結婚しない幸せを体現したい」と言う。

ドラマゆえに2人はかなり両極端な結婚観を持っているが、現代の人々も少なからずどちらかに肩入れする気持ちがあるだろう。ただ、向井くんの母親が「どうしてお兄ちゃんの幸せが何かわかるの!?」と父親に怒ったように人の幸せの形というのはその人の数だけある。幸せになるためには、まずは自分にとって何が幸せかを考えなければならない。

当たり前のことだが、向井くんはそれができていない。そして、現代にもそうした「幸せの迷子」は増えているのかもしれない。父が息子に語りかけたように、「自分の人生の舵は自分で取らないといけない」、そう考えさせられる7話だった。

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まっつ


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