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UPDATE|2023/08/12

人間関係が苦手でトラック運転手に、SNSで話題のトラックめいめい「運送業は人間本来の姿」

写真/本人提供

乃木坂46・遠藤さくら主演のドラマ『トラックガール』(FODで配信中)が話題だ。ドラマのモデルになったのは、飲みっぷりのよさからSNSで大人気の女性トラック運転手“トラックめいめい”。そもそもなぜ彼女はトラックドライバーを志し、SNSで発信するようになったのか? 訴えたかったメッセージとは? “運送業界のマドンナ”に洗いざらい語ってもらった。

【写真】トラックを運転する“トラックめいめい”ほか撮り下ろしカットも【8点】

「別に最初からトラックドライバーを目指していたわけではないんですよ。なりたかったのはファッションデザイナー。小学校の頃から、ものを作るのが好きでしたから。高校は定時制だったんですけど、それもファッションデザイナーになる前提で入りました。金髪もOKだしネイルも自由だったので、ファッション業界に近づけるかなと考えたんです。でも……高校3年生で本格的に進路を考えるとき、その夢は破れましたね。競争率の高さとか給料の安さとか理由はいろいろあるんですけど、結局は適性の問題かな。たしかに私は洋服を着るのが好きだったけど、実際に洋服を作って商品化するのが向いているかといえば、そこは自信がなかったので」

 では、改めて自分の進路はどうするのか? 頭に浮かんだのは「もし1個だけわがままを言えるなら、他人と関わらないで済む仕事がいい」という考えだった。トラックめいめいは、人間関係を築くのが苦手だったのである。

「小学生のときは自分に自信が持てなくて、とにかく話すことが苦手でしたね。その反動で中学に入るとキャラ変して、クラスで一番うるさい生徒になったんです。だけど同時に成績も急下降したうえ、悪目立ちしていじめの標的になってしまった。それまで『どうにかして気の合う友達を作らなくちゃいけない』という強迫観念みたいなものがあったんですけど、高校くらいからは『自分の世界で完結していても、それで幸せならいいじゃん』って考え方が変わったんですよ。お昼ごはんも公園に行って1人で食べていたし、むしろそっちのほうが気楽でよかった」

 1人でできる職業は具体的にどんなものがあるのか、トラックめいめいはネットで調べてみた。検索に引っかかったのはウェブデザイナー、社長、アフィリエイトで稼ぐ方法など……。たしかに自分次第でどうにでもなるビジネスではあるが、社会経験のない18歳の少女には現実的に思えなかった。

「でも、その候補の中にトラック運転手というのがあって、それなら自分でもできるかもしれないと思ったんです。それで実際に面接に行ってみたら、雰囲気がすごくよくて。向こうからは『ぜひ来てください』って言われたし、学校の先生も『向いていると思うよ』後押ししてくれましてね。私の通っていた定時制は普通4年で卒業するんですけど、そこから必死で勉強して、なんとか3年で卒業。そのまま就職しました」
AUTHOR

小野田 衛


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