──作中で高橋さんがとても凛々しい母親を演じていらっしゃったのが印象的でした。
高橋 あれが当時の日本女性のあり方だった気がしますね。きいちゃんが演じたむめもそうですけど、我慢強くて、自分が望んでいた道に進めなくてもそれを後悔してないというか、これと決めたら突き通す強さがあって。ちゃんと自分の役割を分かっていて、その延長線上であがくのがすごくカッコいいんですよね。ちょっとブレそうになったり、弱さを見せる男の人を支えるという雰囲気もすごく好きです。(小泉)孝太郎さん演じる旦那さまが弱い部分を見せてくれるところも泣けましたし、眼鏡を中心としたなかで描かれる人間模様も素敵でした。
──今回の作品を通して、改めて福井のよさを感じたことはありますか?
高橋 北陸新幹線開通に向けて住民の「福井を盛り上げよう!」という気持ちがすごいんですよね。知事も撮影に来てくださって「気合い入っているんで!」とおっしゃっていましたし、撮影を通じてもみなさんのその思いや熱量が感じられました。だから自然と自分もいつも以上に頑張らなきゃと思った気がします。
そして眼鏡の歴史を知ってほしいと純粋に思いましたね。知ると大事に使おうという心が芽生えるし、そういった意味では特に子どもたちに見てほしいです。もしかしたらその歴史に携わっているのが自分の祖先かもしれないし、ぜひ学校でも流してほしいなと思いました。
──新幹線の開通で『おしょりん』を観た方を含め、福井に行ってみたいと考える方も増えると思うのですが、高橋さんおすすめの名所や食べ物はありますか?
高橋 まずは冬に来てカニを食べていただきたいです。特にセイコガニは希少で美味しいから県民が全部食べちゃって、県外に出ることが少なくて(笑)。割とリーズナブルですごくおいしいです!
あとは坂井市の三国町で甘エビ丼を食べてほしい。東尋坊が有名ですけど、三国はそれだけじゃないんです。おしゃれなところもあるし、歴史を大事にして古いものも残してくれていて、海沿いもすごくキレイで、クルーズで離れた小島をぐるっと回って案内してくれたりするんです。以前ロケでお邪魔した若狭町もお箸やガラスの工房があったり、三方五湖という湖が集まっているところでもクルーズができたりするので、いろんなことを一気に堪能できる場所でおすすめです!
──地元でのお仕事があると、住んでいたときに知らなかった場所にも行ける楽しさがありそうですね。
高橋 「福井やるやん!」と毎回思います(笑)。ただそれを地元の人たちだけが知っているのはもったいないなと思うので、私がもっと発信していきたいです。
(取材・文/東海林その子)