──2日間の公演の中で特に印象的な楽曲はありますか?
高橋 こぶしファクトリーの曲を披露したときのJuice=Juiceは上がりましたね~! れいれい(井上玲音)の進化がヤバかった! つばきファクトリーも卒業した子たちが進化していたのが嬉しかったし、相乗効果で新しく入った子たちも気合いが入っていて、ただ懐かしいだけじゃなく、負けまいとしているみんなの姿を見られたのがよかったなと思いました。
あとモーニング娘。だと17期メンバーの井上(春華)ちゃんがかわいすぎて! 最近加入した子たちは研修生での経験があることが多いけど、あの子は未経験。一生懸命だけどステージからの景色にも慣れていないだろうし、舞台上でキョロキョロしているから、いい意味でも悪い意味でも目が行くんですよ。それを責めるわけではなくて、「それでいいんだよ」というお母さんみたいな目線で見ていましたね(笑)。
私も研修期間があったわけではないので懐かしい感じがしましたし、モーニング娘。に9期メンバーが加入したときのことも思い出しました。未経験の鈴木(香音=2016年卒業)は当時何もできなくて、でもすごく一生懸命だったんですよね。それまでのプラチナ期と呼ばれている時期に私たちは「カッコよくなきゃいけない」と思っていたけど、9期が入ってきて『まじですかスカ!』を歌うことになったときになんだかほっこりして、そのときに「そうだよな、モーニングってなんでもありだったよな」と気づかせてくれたんですよね。
井上ちゃんを見ているときも「頑張れ!」とも、「応援しているから大丈夫だよ」とも思っていました。みんなができちゃうから目立つけど、それが逆に強みだと思うから自信を持ってやってほしいなと思います。
──そうやって現役メンバーと一緒にステージに立ったり、ステージをご覧になったりするのは、高橋さんにとっても刺激になりますか?
高橋 正直、ステージに立っちゃうとみんなのことが見られないから観客席にいる方がいいなと思います(笑)。客席から全体的に見れば「こうだったよ」と話せるじゃないですか。この前のコンサートのときも本当はメンバーの方を見て踊りたかったですよ。『Do it! Now』ではよこやん(横山玲奈)がかわいすぎて抑えきれずにほっぺを触っちゃいましたけど(笑)。
──高橋さんは音楽や演技、ファッションなどとても幅広く活動をされていますが、一番自分らしく楽しめるのはどんなときですか?
高橋 それが全部なんですよね。普段から言いたいことはなんでも言っているし、自分が楽しいと思えることだけをやっていたいという願いを叶えてくれるマネージャーさんに感謝です。唯一大変なのは起きるときくらいかな(笑)。がむしゃらだったモーニング娘。時代の記憶って正直あんまりなくて、「こう言ってたじゃん」「これをしてたじゃん」と言われても忘れていることが結構多いんですよね。だけど30歳超えたくらいから「生きているな」と感じるようになったし、もっと楽しくなりましたね。
──自分の人生を生きられるようになった、という感じでしょうか。
高橋 そんな感じです! 私は高橋愛で、私は阿部愛なんだと感じてから、人の話も聞けるようにもなりました。昔は自分に自信がなくて、ネガティブだったんですよね。でもそんな昔の自分も今は愛せているし、そういう「私なんて」と思ってしまう気持ちもわかるから後輩たちの悩みを聞いてあげられるので、よかったなと思っています。
(取材・文/東海林その子)