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UPDATE|2024/06/26

ラーメン官僚が語る、失われた30年とラーメン30年史「素材の価格高騰、ウクライナ問題も」

Ramen FeeL メニュー名:つけ麺スープダブル 撮影/かずあっきぃ

格差・貧困問題に取り組み、メディアで積極的に発言をしている作家・雨宮処凛が、バンドやアイドルなどを愛でたり応援したりする“推し活”について深堀りするコラムシリーズ第7回。今回のテーマは、ラーメン界にも推し活があるのか? そこで、年間700杯ラーメンを食べ続ける、日本全国のラーメン店の発掘と紹介をライフワークにしている、かずあっきぃ(通称、ラーメン官僚)氏に登場してもらい、あまりに奥深いラーメンの世界について語ってもらった。(前中後編の後編)文・雨宮処凛

【前編はこちら】年間700杯ラーメンを食べる男、ラーメン官僚に聞く麺人生「自分を変えたのは環七ラーメンブーム」

【中編はこちら】ラーメン官僚に聞く、ラーメン二郎はなぜ熱狂的人気なのか?「コスパがいい、日常の特別感」

【写真】ラーメン官僚、珠玉の推しラーメン3

「最近はスープの技術が極限まで上がってきて、今は麺で差別化する時代になっています。自家製麺を使うお店が増えていて、そうなると麺を食べさせる類のラーメンが美味くなっていく。だから今、つけ麺がブームになっている。これは論理的に言えることなんです」

令和6年の最先端ラーメン事情についてそう語るラーメン官僚。

ちなみにつけ麺というと濃厚な魚粉系のスープを想像してしまうが、それは「第二世代」のつけ麺らしい。

「第一世代は大勝軒のつけ麺です。第三世代はラァメン家 69’N’ROLL ONE(ロックンロールワン)という店で生まれて、飯田商店が広めたタイプのあっさりした淡麗系スープですね。まず麺を昆布水につけて、その上でご自由に食べてくださいと。第四世代は、例えばRamen FeeLのつけ麺のようなタイプです」

そう言ってラーメン官僚が見せてくれた写真には、美しい二種類の麺と、塩、醤油の二種類のスープ。もはや私が知るラーメンのヴィジュアルではなく、なんだか懐石料理のような趣だ。

さて、そんなラーメン官僚が「次に来る」と予想するのは、「まぜそば」。

「スープの技術がマックスまで達して、麺が発達していったら、あとはトッピングくらいでしょう。そうなると、次はまぜそばが来るんです」

大胆予測である。そんなラーメン官僚が今一番都内で「熱い」と思う店は東高円寺の「遊泳」だという。

「今年ブレイクしてますが、うどんとラーメンのハイブリットです。店主はラーメン店だけでなく、うどん屋で修行しているんです。非常にもっちりした超極太麺で、麺にこだわっている。今を象徴するラーメンです」


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