▽奥田瑛二コメント
「長年頑張ってきた営業マンが定年間際に窓際に追いやられ、焼き鳥屋で店主に愚痴や自慢話を聞かせていたところ、隣の女性(森川葵)に我が身を気付かされる。義雄のような団塊世代の人間は、世の中に多いように思います。
義雄は、命をかけて会社のために生きてきた人間だと自信を持っていて、居場所を失くしても心折れずにこれから先の人生のことも考えている。奥さんの趣味である社交ダンスを内緒で自分も始め、心では『きっと一緒に踊ってくれる』と思っているところに、彼の人間味を感じますよね。
なにより、この夫婦がこれからも支えあって生きていけるという“救い”を残してくれたのは、このドラマのいいところだなと思います。
森川葵さんは、最初から面白い演技をされる方だと感じました。とても集中力があり、その中でリラックスしてギアを入れることができる、スイッチの切り替えが上手な女優さんだと思いました。
例えるならこのドラマは、ご主人も奥さんもその場では顔を見返すことができず、観終わった後に『いや、うん…』『ねっ』と言って顔を見合わせてほっこりできる。どんな職業でも当てはまるようなワンシチュエーションドラマだと思います」
▽松本まりかコメント
「このドラマは、結婚・出産・年齢というパワーワードの呪いの沼に悩めるB面女子たちへ贈る、ひらめきのプレゼントだなと思いました。
私自身シリアスな役が多いのですが、こんなコミカルな役をこれまで演った事があったかしら? こんなに夢中で喋り倒す役もあったかしら? と思いました。池田千尋監督の世界観や、こじらせながらもアタフタ邁進するこの役に、『楽しそう! 遊びたい!』とワクワクしました。ワクワクの原動力って、なんでもやってのけるものだなと。この役を通し、そんな忘れちゃもったいない童心に気付くことができました。
超個性的な出で立ちとキャラクターの森川葵さん。私はいつの間にかフワッと、森川葵ワールドへの魔法にかかったようでした。すごく心地の良い時間で…。 余談ですが、ふたりの共通点は、“酢飯愛”。それはそれは熱く語らいました(笑)」