──日常生活までリカに持って行かれそうになることはなかったですか? 石橋 私生活までリカになったら大変ですよね(笑)。そうならないように気持ちを切り替えるようにしていました。ただ、撮影が終盤に近付くとリカは切ない方向に進むので、その時期は切ない感情が残ってしまうことがありましたね。
──『東京ラブストーリー』出演にあたって、石橋さんの中で「映画女優」で括られない自分を見せたい、という気持ちはありましたか? 石橋 いやぁ、まったくそんなことは考えてなくて。いろんな作品、いろんな監督に出会いたいという気持ちはありますが、最終的には自分に与えられた役を表現して形にすることしかないと思っているので。それ以外は、ある意味で邪念というか。できる限り、“自分”を出さないことがカッコいいと思っているんです。今回もどうやって赤名リカを理解して、魅力的に演じるかということだけを考えていました。
──永尾完治を演じた伊藤健太郎さんはどんな方でしたか? 石橋 自分とは全然違うタイプの役者さんだなと感じました。役へのアプローチの仕方が勉強になりましたし、「カンチっぽいな」と感じる瞬間がいくつもあって、私は何度も助けられました。
──ドラマの中でよく映るスポットってあるんですか? 石橋 東京タワーのまわりでかなり撮影しましたね。
──東京スカイツリーじゃないんですね。 石橋 そうでした。私自身、東京タワーが好きですし、見るとホッとします。オレンジの温かい色がいいのかもしれません。海外から戻ってきて東京タワーが見えると「帰ってきたな」という感覚になるんです。
──石橋さんは「東京」にどんな想いがありますか? 石橋 東京って難しいですよね。自分の生まれた街ではあるんだけど、いわゆる東京タワーが見えるような場所で育ったわけじゃなくて。自分の中でも“都会っ子”という感覚がないんです。15歳から4年間、海外に留学していたんですけど、東京に帰ってきてしばらくは、そのせわしなさやスピードの速さに慣れなくて。自分の生まれた大切な場所で、愛情はあるんだけど、それだけじゃない感情も混ざっているんです。東京ってどう捉えたらいいんでしょうね。
▽東京ラブストーリー』
話数:全11話
配信:FOD、Amazon Prime Videoにて
2020年4月29日(水)0時より配信スタート
毎週水曜日0時最新話配信
▽ 公式サイト
https://www.fujitv.co.jp/tokyolovestory/ ▽FOD配信ページ
https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4h06/