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UPDATE|2021/05/12

映画『くれなずめ』の松居大悟監督が語る、成田凌を主演に抜擢した理由「あまり日本にいない俳優」

映画『くれなずめ』 (C)2020「くれなずめ」製作委員会

成田凌主演で話題の青春映画『くれなずめ』が、5月12日(水)から、テアトル新宿ほかにて公開される。“男子”6人、結婚式の披露宴と二次会の間に起こる短い物語。高校時代の“しょーもない”思い出と、認めたくなかった“友の死”…なぜ今この映画を撮ったのか、監督・松居大悟に話を聞いた。(前後編の前編)

【写真】成田凌、若葉竜也、浜野謙太ら出演・映画『くれなずめ』場面写真

――映画『くれなずめ』は、2017年に松居監督が主宰する「劇団ゴジゲン」で上演した同名舞台が基になっていますが、どういうきっかけで脚本を書いたのでしょうか。

松居 現在、ゴジゲンは6人の劇団員でやっているんですが、それまで目次立樹と2人でやっていたのが、2017年7月から6人になったんです。そのとき、劇団員のみでやる初めての公演だったので、死生観にまつわる話にしてみようと思いました。客演だと気を遣ってしまいますけど、劇団員だったら生き死にについてどう思っているのか踏み込めるなと。

――高校の帰宅部仲間6人が、友人の結婚式に参加するために5年ぶりに集まって始まるストーリーですが、空白の5年間が大きなキーワードになります。

松居 かつて一緒に演劇をやっていて、急にいなくなった奴がいたので、そいつの話にしようと。そいつがいるときは何も考えなかったけど、いなくなってからのほうが思い出すことが増えて僕の中で生きているなと感じたんです。

――不在によって存在が際立ったんですね。

松居 思い出ってどうでもいいことばかり覚えているので、そこもコメディになりやすいかなと。シリアスなテーマなので、放っておいたら、どんどん暗くなるんですよね。そんなのは恥ずかしいので、精一杯ふざけながら作りました。

――映画版でも、重くなりそうなシーンでバカバカしいシーンが入りますが、照れみたいなものがあったのでしょうか。

松居 とにかく明るくしたくて。あと恥ずかしくなるんですよね。熱いことを言うシーンは避けたいし、真面目になりそうだったら外したいんです。

AUTHOR

猪口 貴裕


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