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UPDATE|2021/07/09

赤井英和が語る今も変わらぬ大阪と串カツへの想い、最新映画は第二の『どついたるねん』!?

赤井英和 撮影/松山勇樹



赤井 それで私が白羽の矢を立てたのが、高校のボクシング部で後輩だった上山勝也。彼は石油会社の取締役をやっていたので、「油繋がりでちょうどええやろ」って(笑)。そこからは精力的に事業拡大していき、東京にも店を出すわ、一時は海外進出するわで大活躍を続けておりますけどね。

──つまり『ねばぎば 新世界』は物語とはいえ、ノンフィクション的な要素もかなり強いということになりますか。

赤井 赤井英和の実人生が投影されているというかね。そのへんは上西雄大監督がよく描いてくれました。もちろん私だって仕事として勝吉という役を作っている部分はありますよ。思えば『どついたるねん』で役者デビューして31年、いろんな映画やドラマに出させていただきました。

そらNGや撮り直しは数知れずで、監督どころか共演者からダメ出しされたこともあります。ところが『ねばぎば 新世界』に関しては、すべてワンテイクでOKだったんです。それくらい自然に役をまっとうできたということでしょうね。

──ある意味、第2の『どついたるねん』と言えるかもしれません。

赤井 そうかもしれない。これが自分の代表作になればうれしいです。『ねばぎば 新世界』の勝吉はヤンチャだし暴力で物事を解決するようなところもあるけど、根本にあるのは正義の心なんですよ。あとは弱い者を守ろうとする精神。相手が警察であろうが宗教団体であろうが、ダメなものは絶対に許せないという考え方で。単なるバイオレンス映画とは、そこが違う。観る方にそのメッセージが伝わればいいなと思いますね。

(後編に続く)

【後編はこちら】無頼派俳優・赤井英和が語る61歳の意外な私生活「嫁さんに酒を止められて、今はビール1日3本」

▽映画『ねばぎば 新世界』
主演:赤井英和
監督・脚本・プロデューサー:上西雄大
7月10日(土)より新宿K’s cinema他にて順次全国公開

大阪新世界を舞台に、かつての大映映画、勝新太郎・田宮二郎の『悪名』シリーズを彷彿とさせる痛快アクションドラマ。新世界・西成に棲む人間味溢れる個性と、今も残る浪速の人情を織り交ぜ、社会の明と暗、善と悪、表と裏の世界観の中、展開する。主演は「どついたるねん」の赤井英和と、上西雄大のW主演。その他、小沢仁志、西岡德馬、有森也実、菅田俊、田中要次、堀田眞三、徳竹未夏、古川藍、神戸浩、坂田聡など豪華キャストが集結した。
AUTHOR

小野田 衛


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