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UPDATE|2021/07/09

赤井英和が語る今も変わらぬ大阪と串カツへの想い、最新映画は第二の『どついたるねん』!?

赤井英和 撮影/松山勇樹



──遊郭をやられていたんですか?

赤井 いや、そういうわけじゃないんですけどね。たまたま場所が飛田新地にあるというだけで。もともとは釜ヶ崎の近くで普通に漬物屋をやっていたんですけど、地下鉄の立ち退きで引っ越さなくちゃいけなくなりまして。それで親父が何を考えたのか、いきなり遊郭の1軒を買って家族が住めるように改造したんです。だから映画に出てくる家で実際に僕はメシ食ったり寝たりしていたし、あの家の近所も毎日ブラついとった場所ですわ。

──そうしたディティールが作品のリアリティに繋がっているのかもしれません。

赤井 出演者には自分の知り合いも多いですしね。役者でもなんでもない単なる不動産屋の社長とか。そいつは私の大学時代の後輩なんですけど。人相が悪いからヤクザ役に向いているかなと思って(笑)。

──作品内で重要な役割を果たす串カツ屋さんも、赤井さんゆかりのお店だとか。

赤井 そうそう、「だるま」ね。子供の頃から通っていました。新世界は串カツの街だから60軒くらいダーッと並んでいるんだけど、その中でもダントツで美味いのが「だるま」。当時は3畳くらいしかない本当に小さい店だったんですよ。ところがあるとき、大阪に戻って顔を出そうとしたら閉まっていたんです。

定休日でもないのにどうしたんだろうと思って大将に尋ねてみたら、目が悪くなったので店を畳むという話で。それが今から20年くらい前のこと。「娘も商売を継ぐ気はないし、なんなら赤井さんがやってくれないか?」みたいなことも言われたけど、こっちだって拠点が東京にありますから。

──それはそうでしょうね。

AUTHOR

小野田 衛


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