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UPDATE|2021/10/08

ハリウッド進出、園子温「アル・パチーノやデ・ニーロをチェーン居酒屋の2時間飲み放題に呼びたい」

園子温(C)2021 POGL SALES AND COLLECTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.



──ご自身としては、もうメジャーな日本映画側に寄せることも今後はしないと?

園 ハリウッドで撮り続けると同時に、これからも日本ではずっと撮り続けようと思ってるけど、日本におけるメジャーな作品ってものを目指す気はまったくなくて。ハリウッドではスケールを狙いながら、日本ではより自主映画的なものを撮っていきたいな、とは思ってますね。

たとえば、俺は、さだまさしの新譜が部屋に置かれていて、ディスクもセッティングされてまさに再生ボタンを押すだけだって言われてもやっぱり押せない。ヤダなって(笑)。とにかくメジャーなもののそばにあんまり寄らないようにしようかなと。飛行機での移動中なんかに、(日本映画を)「今日こそ観ようか」って思うときもあるんだけど、やっぱり観ないで終わっちゃうしね。

──ちなみに、本作『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の予算についてはいかがですか?

園 額を言って「なんだ、カネねぇのかよ」みたいになっちゃうのも困るんですけど、限られた予算の枠の中でどんだけ目立つかを考えるのは、僕、得意技なんで。無いなかでも見た目のスケール感は出せるようには頑張ったつもりです。それって、ハリウッドの超メジャー作品でも普通にあるし、そういうときに発想するものってやっぱり面白いものが多いしね。

あとはまぁ、もう一つ、心がけたのは日本の有名人を入れないこと。日本を舞台にこういう映画撮るってときにそれをやっちゃうと、途端に日米合作の匂いがムンムンしちゃうしね。日本の配給会社的には「いや、入れてくれよ」って感じだとは思うけど、でも入れたくないなって。僕としては、どうしても気持ち悪いな、というのが先に立つんでね。

──個人的には、ニコラス・ケイジと坂口拓さんがガッツリ戦う、というだけで胸アツでしたが(笑)。

園 そうそう、坂口拓がいいんですよ。むしろ彼じゃないとダメ。世界で見せる映画なのに、日本でしか有名じゃないキムタクを出したってしょうがないじゃない? これは完全に日本映画じゃないんだよ、ってそういう感じにしたかったんです。栗原類くんなんかは一般的な知名度もあるけど、彼はもともとただの飲み友達だしね。(渡辺)哲さんもそうだけど、基本知り合いしか出てないです。


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