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UPDATE|2022/02/09

南果歩が語る、幼少期から現在まで波乱万丈の女優人生「小さい頃の苦労経験は強み」

南果歩 撮影・田中健児



――南さんが小学2年生のときにお父様の会社が倒産、家が人手に渡ってしまい、一家はお風呂のない文化住宅に住むことになります。その時期に、叔母さんの家で夕飯を食べることになり気が引けたと綴られていますが、小さい頃から周りに気を配るほうだったんですか?

南 すごく気を遣う子どもでした。幼少期の家庭環境もあったと思うんですけど、習性として身に付いてたかもしれないです。

――5姉妹の末っ子というのも大きかったですか?

南 そうですね。4人も姉がいるので、上手く切り抜ける姉もいれば、ちょっと不器用な姉もいる。愛嬌のある姉もいれば、誤解を招きやすい姉もいる。いろんな例を見せてもらえたのが大きかったです。だから小さい頃は、親に怒られるようなこともしなかったです。まあ成長するにつれて、好きなことをやっていたので心配はかけていましたけど。

――昔から読書好きとのことですが、家族が多い中で一人の時間を作るのは難しかったのではないでしょうか。

南 とにかく家の中は人が多かったんですけど、だからこそ周りに人がいても、読書でも試験勉強でも集中できました。撮影現場でも人がたくさんいるじゃないですか。それも、あまり気にならないです。逆にシーンとしているよりも、雑音があったほうがいいですね。

――むしろ周りに人がいないほうが苦手ですか?

南 それはありますね。基本的に外食は一人でできないので、友達か家族を誘います。人が好きなんですよ。たとえば初対面の方でも、「このTシャツはどこで買ったんだろう? 映画のキャラクターがプリントされているけど子どもの頃からファンだったのかな?」とか興味が湧くんです。電車に乗ったときも、とにかく人を見るのが好きですね。

――『乙女オバさん』を読んでいると、南さんは一貫して友達が多いなと感じました。

南 昔から友達は多いです。地元の兵庫にいた頃は、連絡もしないで友達のおうちに行って、友達がいなかったら中に上がって家族と一緒に待っていましたからね(笑)。スマホもない時代で田舎なので、それが普通だったんです。東京に出てきて、初めて約束をしないと人に会えないという経験をしました。勝手に誰かがおうちに上がり込んでいるなんて東京ではないんですよね。それでホームシックになったこともあります。なので今でも私のおうちには、たくさんの人が遊びに来ます。

AUTHOR

猪口 貴裕


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