FOLLOW US

UPDATE|2022/06/29

アップフロントからの独立・中島卓偉が語る今後「ハロプロはもちろん、ハロプロ以外にも曲を」

中島卓偉の最新デジタルシングル『風に飛び乗れ』



──つばきは『就活センセーション』のときもファンキーな難曲にチャレンジしていましたよね。結果、あれで日本レコード大賞の最優秀新人賞も獲得しましたし。

卓偉 あれはメンバーと同様、僕も感無量でした。ソングライターとしてのプライドを絶対に強く持つべきなんだと励まされましたし。僕が20代だった頃から、アップフロントのスタッフは作曲能力を買ってくれていたんですよ。そこで言われたのは「アイドルっぽい曲を書く必要なんてないんだ。お前にしか書けない曲を作ってくれ」ということ。そこは最初に真野(恵里菜)ちゃんに『My Days for You』を書いたときから一貫していると思う。

──ところで卓偉さんは、今の時代にロックをやる意味ってどういうところにあると考えますか? 昔はミュージシャンに影響されてファッションから政治観まで感化される若者が続出しましたが、今はそこまでロックに社会的影響力があるとも思えないんです。

卓偉 確かにメッセージ性が弱まっているのは間違いないでしょうね。ミュージシャンの発信力が矮小化しているというか。でも、それでいいんじゃないのかとも思う。というのもこの話は社会構造の変化というのが大きくて、昔はジョン・レノンが「ラブ&ピース」と言ったら「本当にその通りですよね」って世界中が納得したけれど、今のネット時代だったら「いやいや、それは違くね?」という声も方々から上がるでしょう。何かを言い切ることが難しい時代になっているんです。だから僕はよく考えます。「もし今の時代にジョー・ストラマーや忌野清志郎さんが生きていたら、どんなことを発信するんだろう?」って。表現者である以上、アーティストが何かを表現するのは当然の話。この制約だらけの世の中で、それでも曲を書いて、詞を書いて、メッセージを届けなくてはいけない。でも、どういう発信の仕方が今の時代に適切なのか? そこはすごく慎重に見極めなくてはいけないフェーズに入っていると思う。社会風刺するような歌詞は今後もどんどん難しくなっていくだろうし。

──どんなことを発表しても、必ずそこにアンチは沸くでしょうからね。

卓偉 僕自身に関して言わせてもらうと、自分の生きてきた人生の中で傷ついたこと、つらかったこと、うれしかったこと、感じたこと……そういったことすべてを切り刻んでメッセージにしていく。「こういうことがあったんだ」ということを自分の経験を踏まえながら語ることを最後まで貫き通したいと思います。それが自分の使命であり、義務。

──ありがとうございます。今日は多岐にわたってお話を伺いましたが、最後に中島卓偉が新章に突入するにあたり、改めて意気込みをお願いできますか。

卓偉 とにもかくにも僕はライブ第一主義の人間。だからライブは積極的にやっていくことをここに宣言します。あとは新しいCDアルバムも秋頃にはなんとか出したいと考えていますね。それとは別の曲もどんどん書き続けていきますので、それがパッケージになるかどうかは分からないけれど世の中には発信していくつもりです。もちろんハロプロへの楽曲提供も引き続き全力で頑張りますよ。独立したということで、ハロプロ以外のところにも今後は楽曲提供する機会があるかもしれない。ハロプロ以外のアイドルもあり得るし、アイドル以外のジャンルにも機会があれば挑戦していきたいですね。

──それは期待が高まりますね! 熱心なハロプロファンからは「我が軍以外のところに書かないでくれ」って懇願されるかもしれませんが(笑)。

卓偉 ハロー!のファンは本当に僕によくしてくれるんですよ。街で会うと、握手を求めながら「今回の新曲もめちゃくちゃいいです。卓偉さん、ありがとうございます!」とか言われますし。思えばメンバーたちもみんな優しかったな。「うちのグループにも書いてほしいです!」とか言ってきてくれたり(笑)。いずれにせよ、ハロプロとも変わらず関わっていきますし、心機一転、ソロとしても気合を入れ直します。今後とも引き続き、応援よろしくお願いします!

(取材・文/小野田衛)

▽中島卓偉(なかじま・たくい)
1978年10月19日生まれ。1999年にロックミュージシャンとしてデビュー。現在活動は23年目に突入している。2001年頃より楽曲提供を始め、ハロプロに提供した代表曲に『My Days for You』(作曲)、『大器晩成』(作詞・作曲)、『次の角を曲がれ』(作詞・作曲)、『就活センセーション』(作詞・作曲)など。
■公式サイト:http://takui.com/
最新曲MVhttp://takui.com/pages/movie/
最新曲視聴:https://linkco.re/eRddQHf8
■Twitter
@takuinakajima
ライヴ情報:7.10()東京 原宿RUIDO ◇ 8.13()東京 Veats Shibuya ◇ 8.14()大阪 OSAKA MUSE ◇ 8.17()名古屋 Electric LadyLand
CREDIT

取材・文/小野田衛


RECOMMENDED おすすめの記事