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UPDATE|2022/08/07

チャンス大城、自殺を考えた過去の自分へ「ダウンタウンさんに会えた、生きててよかったよ」

チャンス大城 撮影/松山勇樹



──普通に生きていて、こんなにたくさんの事件になかなか出会わないですよ。

大城 『すべらない話』で、僕が山に埋められた話をしたんですね。そしたら突然お手紙をいただきまして。「あなたの『すべらない話』を観なかったら首を吊っていました」と。ちょうど首を吊ろうと思ったときに、たまたまテレビつけっぱなしで僕の話を聞いて感動したそうです。

──人の命を救っているんですね。

大城 そのとき、「そうか」って思って。僕のお笑いってメッセージ性はないかもしれないんですけど、私小説だったら…。「いじめられたキッツイ子ども時代もあったけど、それでもこうやって生きてるよ」という姿を見て、なんか感じてくれたら嬉しいなって思います。

──その尼崎時代の幼少時代も濃く書かれていますね。

大城 尼崎は不良がたくさんいてね、それはキツかったですわ。光化学スモッグがすごい場所で当時から学校に空気清浄機がありましたからね。まぁー、見事にいじめられましたね。両親に、「なんで尼崎に住んだんや!」って絡んだこともあります。

──ヤンキーからは逃げられなかった?

大城 そうですね。僕、なんか目立っちゃうんですよ。もし過去に戻れたらピアノと極真空手をやりますね。不良が何か言うてきたら空手で倒して、その後家に帰って、人に対する暴力を振るった心の傷をピアノで癒して…。ビアノは本当にやりたかった。今からでも遅くはないのかなぁ。

──中学2年の時に、ダウンタウンさんの番組『4時ですよーだ』(毎日放送)の素人出演コーナーでその日の優勝者に選ばれ、NSC大坂校に入学するも中退したんだとか。

大城 僕はNSCにを2回行っているんですけど、みんなのレベルの高さにビビってしまって、自分は戦えないなと。8期生の(同期の)千原ジュニアさんはお笑いに腹をくくっていたけど、僕はぬるかったんですよね。

──その当時のことを、千原せいじさんは覚えていたんだとか。

大城 覚えてくれていました。せいじさんと居酒屋で21年ぶりにお会いして。最初は「同期か、覚えてないなー。当時のギャグとかやってみろ」って言われて。「オッヒョッヒョ」ってやってみたら、「オッヒョッヒョーーー! 久しぶりー!!」ってね(笑)。お会いできたのは嬉しかったですね、それから本当にいろいろと面倒見てくれて。

──本を書かれて人生を振り返ってみて、改めて懐かしいな、おもしろいなと思うところはありましたか?

大城 やっぱり、極道にピストルを突き付けられた西成の映画館時代は書きたかったですね。あとは、実は本を印刷をするギリギリってときに、「ちょっと待ってください!」って電話して「大事なところを書いてない!」と、申し訳ないけど印刷を止めてまで追加した箇所があります。


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