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UPDATE|2022/08/17

『プロレス総選挙』女子1位 スターライト・キッドが語るヒール転向「選択は間違いじゃなかった」

スターライト・キッド (C)スターダム

8月13日にテレビ朝日系で放送された『プロレス総選挙』は、大きな反響を呼んだ。そしてスタジオでオカダ・カズチカや棚橋弘至と並んで出演した、150㎝の小さなマスクウーマン(オカダとの身長差は実に41㎝!)の存在に目を奪われた“プロレスを知らない”視聴者も多かったようだ。番組内では堂々、第11位(男子を含めた総合順位。女子部門では第1位!)にランクインした彼女の名前はスターライト・キッド。いまや女子プロレス界を代表するスターダムの人気者である。だが、彼女がここまで来るにはマスクウーマンならではの苦悩や挫折があった。令和という時代が生んだニュータイプのダークヒロインが、心の中のマスクを脱いですべてを語る(前後編の前編)。

【写真】SNSではマスク姿ながら素顔も披露、令和のダークヒロイン スターライト・キッド【5点】

人気急上昇中の女子プロレス団体・スターダムには、たくさんの人気レスラーが所属している。アイドルやタレントからの転身組も少なくないので、いわゆる「美女レスラー」は数多くいるのだが、そんな美女たちを抑えてグッズの売り上げナンバーワンを誇っているのはマスクウーマンのスターライト・キッド。そう、素顔を隠しているレスラーがぶっちぎりの人気、なのだ。

客観的なデータを出すと、7月にタワーレコード新宿店で開催されたスターダムのPOP UPストア(8月20日まで大阪・あべのHoop店、8月24日からは仙台パルコ店と全国のタワーレコードを巡回中)におけるポートレートの売り上げランキングでも、スターライト・キッドが堂々の1位に輝いている。たしかに覆面を被って、タワーレコードのエプロンを着用している写真は激レアだが、熱心なファンだけでなく、一般のお客さんの目にも触れるPOP UPストアでこういう結果を残した、ということはその人気がホンモノであることを示している。

普通、マスクマンやマスクウーマンというのは若手レスラーがステップアップのために「変身」することが多いのだが、スターライト・キッドはデビューしたときから覆面をつけていた。つまり、プロレスラーとして素顔で闘っていた時代が存在しない、というなかなか珍しいケースになる。

「最初は完全にやらされていた、かな。もともとマスクウーマンになりたい、という願望もなかったし、マスクウーマンになれと言われたからなっただけで、そんなにこだわりもなかった」

まだローティーンだった彼女は、リングの上で「正体不明」で「匿名希望」の存在となった。プロレスラーでなければ、まずできない体験ではあり、天才少女として早くから注目を集めることとなったが、やがて大きな壁にぶち当たることとなる。

「小さいころからマスクウーマンをやってきたから、どうしても子供っぽいイメージが抜けない。やっとハイスピードのチャンピオンになったと思ったら、今度はハイスピード“だけ”の存在という評価になってしまった」

AUTHOR

小島 和宏


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