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UPDATE|2022/09/24

板谷由夏がホームレスに転落する女性に「頑張り続けているのに『助けて』が言えない人はたくさんいる」

板谷由夏 撮影/武田敏将



──主人公の三知子がホームレスに転落してしまったのも、コロナ禍という自分ではどうにも出来ない状況に巻き込まれてしまったことから始まっています。板谷さんがそういった状況に陥ってしまったら、どうやって気持ちを立て直そうと思いますか。

板谷 どうするかなぁ。出来れば、巻き込まれる前に匂いというか、気配で避けたいですよね。そういう野生の勘は持っていたいですけど、出来るだけネガティブにならないようにするかなぁ。ネガティブな方に進まないように、這い上がろうという気持ちを作ることを意識すると思います。

──板谷さんには、ポジティブな印象がありますよね。

板谷 もちろん落ち込むときもありますよ。でも、落ち込むけどそこから這い上がるのがすごく好きなんです。行くとこまでどーんと落ち込んでしまえば、あとはとにかく上がるだけだと思っちゃうタイプなんですよね。そういう意味ではポジティブですね。ある程度、落ち込んだらあとは前向きに考えます。やっぱり人生は楽しまないと損ですから。楽しんだもん勝ちです(笑)。

──本作では、コロナ禍の前後がリアルに描かれていたのも印象的でした。コロナ禍において、ご自身の変化を感じる部分はありますか。

板谷 すごくシンプルな考え方をするようになりました。後悔したくないという気持ちも強くなったし、制限があるからこそ、そのなかでやりたいことをやっておこう、というところに行きつきましたね。そういう意味では、すごくシンプルな気持ちになったように感じます。

今もまだコロナ禍ですけど、最初はとにかくずっとご飯を作っていた印象が強いです(笑)。学校がずっとお休みだったから、それが大変でした。私たち大人は我慢も出来るけど、子どもたちはかわいそうだなとも思います。制限があって、お友だちの顔が見えなくて、グループでご飯が食べられない。騒ぐのも気にする必要がある。彼らが大人になったときに、きっと“子どものときにコロナ禍を経験した世代”というようなカテゴリが出来るんだろうなと思うとかわいそうな気もします。


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