「沖縄でのMV撮影でセンターに立って踊ってみても、『自分はセンターなんだ』と思いはするけど、実感はなくて。でも、歌番組に出演させていただくと、表情を抜かれる回数も多いですから。そうなると、反響も増えて、実感するようになりました。エゴサが楽しくなりました(笑)」
何をするにしても、千葉はエゴサーチを欠かさない。今回ばかりは「いくらスクロールしても無限に(自分に関するツイートが)出てきた」という。それがセンターになるということだ。個人アカウントのフォロワー数は数千人も伸びた。
かといって、気負ってもいない。自分の顔と名前を売る大チャンスを摑んだというのに、歌番組出演の前日に顔写真をつけてツイートする程度。もっとしゃかりきになってもよさそうなものだが、肩の力が抜けているのが千葉らしい。
「自分の中身を知ってほしい」
そう語る新センターだが、では肝心の中身はどんな子なのか。AKB48グループ総監督の向井地美音はこう語る。
「まずは圧倒的な顔。そして、スタイルのよさです。お人形さんみたいにかわいい。なのに、中身が変。人の歯と歯茎をチェックするのが好きだったり(笑)。そのギャップがたまりません。話してみると、人間味があることがわかるんです」
顔が小さく、手足も長い。トレードマークはツインテール。どこから見てもアイドル然としたルックである。しかしながら、それだけで人気が出る世界ではない。向井地は続ける。
「小学校の頃から見ていますけど、女子力がかなり上がりました。その成長ぶりもアイドルとして強味です。以前は雑にうどんを食べていたイメージが強いんですけど(笑)、そんな子がセンターにまで上り詰めた。そんなストーリーを見せてくれているところもファンは推せるんでしょうね」
千葉本人に性格を分析してもらったところ、「思ったことをズバズバ言ってしまいます。メンバーからはサバサバしてるねって言われます」という。
2018年、AKB48グループは韓国のオーディション番組「PRODUCE48(プデュ)」に参加した。希望者が韓国での合宿に参加し、幾多の難関をクリアして、新グループのメンバーとしてデビューできるという企画だった。これがのちのIZ*ONEである。このオーディションに千葉も参加した。
「あのときはまだ中学生でした。どんな企画なのか、具体的なことはわからずにルンルン気分で韓国に行ったら、ケータイを没収されて。『どういうこと?』と思っているうちにサバイバル生活が始まりました。睡眠時間を割いて、練習する毎日でした。韓国ではそれが当たり前なんです。中学生なのに、よく耐えたと思います。」
思ったことを口に出してしまう性格ゆえに、番組中に「(ダンスが難しくて)無理です」と発言してしまい、視聴者は「だったらなぜ参加したのか?」と色めき立った。
だが、この発言で注目を浴びることになり、結果的にファンを増やすことになった。