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UPDATE|2022/10/14

【何観る週末シネマ】80~90年代ビデオ映画全盛期を彷彿させる衝撃"生首ホラー"『オカムロさん』

(C)2022 REMOW

この週末、何を観よう……。今週公開の作品の中から、映画ライターのバフィー吉川が推したい1本をピックアップ。おすすめポイントともにご紹介します。今回ご紹介するのは、10月14日(金)公開、アクションシーンも必見の生首ホラー『オカムロさん』。気になった方はぜひ劇場へ。

【写真】「めざましテレビ」イマドキガール・吉田伶香が初主演『オカムロさん』【17点】

〇ストーリー
絶対にその名を検索してはならないーー。それは集団首狩り事件から始まった。絶対に“その名”を検索してはならない。江戸時代から言い伝えられる都市伝説が現代に蘇る! 「オカムロ」という名を聞いたり話したりすると必ず現れ首を狩られ殺される。対処法はオカムロと3回唱えることーー。

〇おすすめポイント
噂が拡散され、存在を認知してしまうと“オカムロさん”に首を狩られてしまう。そんな都市伝説が広まり、おもしろがって報道するメディアや陰謀論だと言い張る人々も次々と狩られていく。

新型コロナウイルスやワクチンに対して、両極端な意見のぶつかり合い、陰謀論助長のメタファーともなっていて、チープさが漂う中にも社会派な一面、というかブラックな社会風刺が散りばめられている。

社会の不安をホラーやコメディに転換するというのは、ジョーダン・ピール(『ゲット・アウト』[2017])など)やアイク・バリンホルツ(『ターキー・パニック』[2018]など)、アダム・マッケイ(『ドント・ルック・アップ』[2021]など)といったように、海外の映画作家たちも常に取り入れてきているだけに、物語の基盤部分としては、なかなか王道なのかもしれない。

友人たちを殺された復讐として“オカムロさん”を倒すために立ち上がった主人公をサポートするメンバーのひとりとして、『ある用務員』(2021)や『ベイビーわるきゅーれ』(2021)の出演が注目され、『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』(2021)や現在制作中のキアヌ・リーブス主演映画「ジョン・ウィック」シリーズ最新作『John Wick: Chapter 4 - Hagakure』(2023年公開)などでスタントもこなす伊澤彩織が参加しており、アクションシーンは何気に力が入っており、”オカムロさん”との対決シーンは必見だ。

また“オカムロさん”のビジュアルが『未来忍者 慶雲機忍外伝』(1988)や『ゼイラム』(1991)といった、雨宮慶太作品を感じさせるものとなっており、80~90年代のビデオ映画全盛期の懐かしさを感じさせる。

全編カルト風な味付けの作品であり、B級、Z級映画マニアをターゲットとしているのか、決して一般ウケする作品ではないが、製作陣たちの挑戦、そして勇気には感動すらおぼえる。誰もが驚く唐突なラストも好感がもてる。

〇作品情報
監督・脚本・編集・出演:松野友喜人
出演:吉田伶香/バーンズ勇気/伊澤彩織/六平直政 他
制作プロダクション:シャイカー/製作:REMOW/配給:エクストリーム
2022 年/日本/カラー/DCP/サイゾー映画制作プロジェクト
10月14日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、
新宿シネマカリテ 他 全国ロードショー

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