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UPDATE|2022/11/04

『日本統一』本宮泰風がVシネマ俳優になるまで「最初は興味がなかった、行き当たりばったりで50歳に」

本宮泰風 撮影/松山勇樹

任侠Vシネマ『日本統一』が破竹の勢いを続けている。第1作の劇場公開から9年が経過し、現在ではシリーズ全体で60作を超える超大河に成長。動画配信サービスの普及に伴って最近では若い女性ファンも増えているというのだから、古くからヤクザ映画を観ている層からすると隔世の感があるはずだ。今回、同シリーズで主演を務める本宮泰風に、波乱に満ちたVシネマ俳優としてのキャリアを語ってもらった。(3回連載の2回目)

【写真】『日本統一』を総合プロデュースする俳優・本宮泰風の撮り下ろしカット【8点】

【1回目はこちらから】任侠作品もアップデート、『日本統一』本宮泰風が語るVシネマの現在「女性ファンが増えている」

『日本統一』シリーズで主演を務めるのは本宮泰風。シリーズ中盤からは俳優としてだけでなく、台本作り、監督決定、キャスティング、スタッフ集め、プロモーションなどを一手に引き受ける“Vシネ界のチャールズ・チャップリン状態”に突入したという。こうして中野英雄、的場浩司、山口祥行とともに「ネオVシネ四天王」と称されるようになった本宮だが、最初から任侠作品やVシネマを中心に活動しようと決めていたわけではない。

「俳優になったのは22歳のときでしたが、その前から声はかけていただいていたんですよ。すでに兄(原田龍二)が役者をやっていたので、そこの社長から『お前もどうだ?』って誘われていまして。だけど、肝心の僕自身が芸能界にはまったく興味がなかったんです。高校を卒業してからは、お酒を出すような店で真面目に働いていましたね。周りには事業をやっているような人が多かったので、いつか自分も怪しげなビジネスを始めるんだろうなってぼんやり考えていました(笑)」

今でこそアルコール類をまったく口にしない本宮だが、仕事柄もあって当時はかなり飲んでいたとのこと。「お酒をやめたのは飲んでいるうちにお金がなくなっちゃうから。気づいたらモノが破壊されているんですよね」と語るくらいなので、相当やんちゃな飲み方をしていたことが推測される。こうした生活に一種の行き詰まりを感じる中、再びスカウトされたことを契機に「1年だけ」という条件付きで業界入りを決意。ここから俳優人生がスタートする。

「華々しいデビューとは程遠かったですね。1年だけとは言ったものの、パッとしないまま気がついたら2年、3年と経過していった感じです。というか、自分としてはそのまま現在の50歳になった感覚なんですよ。行きがかり上、俳優を続けていますけど、もっと自分に合った仕事があるんじゃないかって今でも考えますからね。22歳のときから50歳の今まで『石に噛り付いてでも!』という意気込みが皆無なんですよ。だから他の役者さんとはどうも話が合わなくて……。役者同士で朝まで演劇論を戦わせるとか、なかなか共感できない。話していると、すぐ喧嘩になりますしね(笑)」

AUTHOR

小野田 衛


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