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UPDATE|2022/11/03

濱の狂犬・黒石高大に聞くBreakingDown参戦の理由「自分の心が壊れるんじゃないかと思った」

撮影/たむらとも


「とにかく声が小さすぎるよね、あいつは。何をしゃべっているのかわからねぇよ。声が小さい奴は、人間の器も小さいということ。あいつなりに盛り上げようと頑張っているんだろうけど、肝心なところでビビっちゃっているから話にならない。小物すぎるでしょ。目が怯えちゃっていたし。ある意味、可愛いなって思いますけどね」

役者としての黒石は『アウトレイジ ビヨンド』『孤狼の血』などのアウトロー系話題作に出演する一方、『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』(テレビ東京系)でちびっ子たちの人気者になるなど、着実に支持層を拡大している。それだけに格闘技の世界に戻ることは大きな葛藤があったと告白する。

「そもそも7年前、俺は役者として本気で頑張りたかったからこそ、格闘技の世界から引退したんです。正直、あの時点でも闘うことは全然できましたよ。でも、男として半端な真似はしたくなかった。それなのに、いけしゃあしゃあと出戻りするなんて恥ずかしいじゃないですか。『吐いた唾を飲むなよ』とバカにされても当然です。だから死ぬほど悩みましたね。『自分の生き方として、本当にこれでいいのか?』って」

同じくBreakingDown6に出場するTHE OUTSIDER軍の高垣勇二、およびに黒石と高垣の共通の先輩から粘り強く説得され、黒石はついに出場を決意した。そこには秘めたる熱い想いがあったようだ。

「心の底の本音を言うとね、俺は格闘技をやりたくてやりやくて仕方なかった。ずっと我慢してきたんです。闘いたいという気持ちを抑えつけながら生きてきましたから。だけど今回は違った。ここで出なかったら、自分の心が壊れるんじゃないかと思って……」

ここまで語ると、黒石は涙ぐみながら下を向いて黙ってしまった。不退転の覚悟がヒシヒシと伝わってくる。

「今回はTHE OUTSIDERとBreakingDownの対抗戦だということで血が騒いでしまったんですよ。我慢できなかった。だって、俺こそがTHE OUTSIDERですから。もちろん吉永(啓之輔)くんや朝倉未来選手もTHE OUTSIDERの象徴ではあったけど、誰が一番人気かと言えば間違いなく俺じゃないですか。当時、こんなことを自分で言うのは恥ずかしかったので口にしなかったけど、内心ではずっとそう思っていました。

やっぱり俺に求められることって、血の匂いなんです。俺自身は役者としてサラリーマン役や教師役をやってみたいという気持ちでいますよ。だけど相性がいいのは、明らかに暴力性が強い役。役者としての将来を考えた場合、ここでBrekingDownに出ることはマイナスではないと思うんですよね」

試合では、大人になった濱の狂犬が再び牙を剝くことになるのか? 瞬きもせずに注視したい。

【あわせて読む】高垣勇二に聞く、THE OUTSIDER軍団がBreakingDownに参戦した理由「即決だった」
AUTHOR

小野田 衛


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