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UPDATE|2022/11/14

『クレイジージャーニー』最多出演・丸山ゴンザレスが海外の危険地帯を取材する理由

丸山ゴンザレス(C)TBS



「ここに来るまでは海外ネタ一本だけでは生活できなかったから、途中で出版社に勤務したり、フリーの編集者として過ごした時期もありますけどね。僕はペンネームをいくつか使い分けているんですけど、それも署名記事を作るときに『じゃあ、こんな名前でいいか』って編集部が適当につけたケースがほとんど。極めて雑な感じですよ」

雑誌で原稿を書くこととテレビやYouTubeに出ることは、完全に同一線上にあるというのが丸山氏の考え方。しかし実際にはテレビに対応できない出版関係者は多いし、その逆もしかりである。これは丸山氏が持つ繊細なバランス感覚が影響していると思われる。

「編集者的な能力と、ライター的な能力と、営業マン的な能力。この3つが揃っていないと僕みたいな取材はできないかもしれない。たとえばテレビ局の番組スタッフに取材内容をプレゼンすることもあります。もちろんプレゼン能力だけじゃなくて、コミュ力も重要だし、『こいつに任せておけば大丈夫』という信用も大事。かと思えば、ときには『もう勝手に行っちゃえ!』という無謀さも必要になる。全部を丁寧に許可取りしていたら前に進まない局面だってありますから」

海外の危険地帯を取材する際に心掛けているのは、意外なことに「いいランクのホテルに泊まること」だという。極限状態においてはモチベーションの維持とともに、セキュリティの面でも重要になってくる。

「都市型の取材が好きなんですよ。たとえばニューヨークとかラスベガスみたいに日本人が無数に行くような場所であっても、僕だからこそ気づくことって結構あるんですね。同じ場所で遊んでいても、視点の転換だけでまったく別の世界を知ることがありますから。都市には人間がたくさん集まっていて、そこでは様々な営みがあって……。中でも一番面白いのがビジネス。

ビジネスって動物は絶対やらないですから。昔からそこに対する興味はすごくある。たとえば売春街に行っても、『いい女はいるか?』みたいなことよりも『誰が儲けて、どれくらいの取り分になっているのか?』みたいな部分に興味を持ってしまうんです。ドラッグに関しても同じですよね。ドラッグそのもののヤバさよりも、ドラッグビジネスを追究したくなっちゃうので」

今後については「具体的に何かというのは言えないけど、興味のおもむくままに取材を続けていきたい」と前向きに語る丸山氏。実は“危険地帯ジャーナリスト”という肩書も自分で名乗ったものではないし、ジャーナリストを名乗ることで「報道にしては正義感がなさすぎる」などと難癖をつけられることがあるという。

「ホント、面倒ですよね(苦笑)。肩書なんて何だって別にいいし、なんなら情報屋って最近は説明しているくらいです。そういう面でのこだわりは僕、一切ないですから。いろんな人が勝手に好きなことを言ってくるけど、反論する気すらない。その代わり、取材するうえで妥協できないこだわりはありますけどね。下手に世間の声に反論するより世界の現実を自分流に届け続ける。それだけ守っていけばいいかなと思っています」

丸山氏の奇妙な“ジャーニー”は、まだまだドラマチックに続いていきそうだ。

▽『クレイジージャーニー』(TBS系)毎週月曜よる9時放送中
[次回放送日時]11月14日(月)よる9:00~10:00
AUTHOR

小野田 衛


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