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UPDATE|2022/11/21

ABEMAがW杯全64試合無料生中継を決めた理由「無料での中継に最初から迷いはなかった」

日本時間11月21日に開催された「FIFA ワールドカップ カタール 2022」開会式 写真◎gettyimages

11月21日(現地時間20日)に開幕した「FIFA ワールドカップ カタール 2022」。4年に一度の世界規模のスポーツイベントに、大きな転換点が訪れている。今回、日本代表がコンスタントに出場するようになって初めて、日本テレビ、TBS、テレビ東京といった民放テレビ局が中継から撤退したのだ。そんな中、「ABEMA」が全64試合の無料生中継を実施。地上波テレビができないことに敢えて挑む意図を、ABEMA FIFA ワールドカップ 2022 統括責任者の野村智寿氏に聞いた。

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アニメやドラマ、格闘技、音楽、釣り、ボートレースに将棋に麻雀などなど、地上波のテレビ局にはない専門性の高い番組コンテンツを無料放送する新しい未来のテレビ「ABEMA」。「亀田興毅に勝ったら1000万円」や「BREAKING DOWN」などの独自のコンテンツが大きく話題になることも少なくない。

ただ今回の「ワールドカップ全64試合無料中継」は、実現のハードルが限りなく高い。サッカーの国際試合は安くないのだ。日本代表の試合も、今大会のアジア予選ですら視聴者が無料で見られたのはホーム戦のみ。相手国で行われたアウェー戦は「DAZN(ダゾーン)」で有料配信されていたことは記憶に新しい。

今大会の全64試合放映権料も総額で数百億円とも言われるほど高騰。世界的にも今やスポーツは「お金を払って観るエンタメ」と化している。視聴者としては、無料生中継はもちろんありがたい。だがしかし、なぜ「ABEMA」がワールドカップを、しかも無料で生中継することになったのか。

野村 まず最初に申し上げたいのは、我々は「FIFA ワールドカップ カタール 2022」を、年齢を問わず多くの方が熱狂する世界最高のコンテンツだと思っています。そして「ABEMA」自体は、「いつでもどこでも無料で見られる」という点において、スポーツ、特にライブ中継と相性がいいと考えています。

今回、開局から約6年が経ち、チャレンジできる環境とそのタイミングが重なったことで、メディアとして次のステージへと進む機会だと考えました。そのうえでの「全64試合無料生中継」という決断です。

「ABEMA」は「新しい未来のテレビ」というコンセプトを掲げており、テレビの良さは、「生中継」、「同時性」、「無料」の3つ。無料で誰でも見られる状態にあるというのは、テレビの良さを活かしていくには必要な要素だと考えています。素晴らしいコンテンツを、子どもから大人まで幅広い世代の方々にご覧いただきたいという思いと、より多くの皆様に「ABEMA」を楽しんでいただくきっかけにつなげられたらという思いもあり、無料での中継に対しては最初から迷いはありませんでした。

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