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UPDATE|2022/12/29

『ザ・ノンフィクション』神回、ゲーム芸人・フジタが語る父親に捨てられた壮絶な幼少期

ゲーム芸人・フジタ

今秋に2週に渡って放映されたドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)の『あの日僕を捨てた父は~孤独な芸人の悲しき人生』。そこに登場したゲーム芸人・フジタの壮絶な半生は、お茶の間に大きな衝撃を与えることとなった。母親の急死、父親のネグレクト、DV、内縁の妻との金銭トラブル、そして痴呆と介護……番組ではラスト、わすかな希望の光が見えたように思えた。しかし、現実にはフジタの身に降りかかる問題はさらに混迷を極めつつも現在進行形だ(前後編の前編)。

【写真】『ザ・ノンフィクション』で話題を呼んだゲーム芸人・フジタ

「父親が自宅に帰ってこなくなったのは、母が亡くなってすぐの小学校一年生の頃。週に三万円を置いていっていたので、それで暮らしてました。最初はきつかったけれど、そのうちだんだん1人でもよくなりましたね」

フジタの家族構成は、もともと少し複雑だ。フジタの父と母は再婚同士で、フジタには父親の違う、12歳年上の兄がおり、その兄は働いていたので家にはほとんどいなかった。フジタが小学校にあがる直前のある時に、母がくも膜下出血で急逝。父との2人で暮らすこととなった。しかし、ほどなくして父はフジタの同級生の母親でもあるシングルマザーのAさんと恋仲になり、家に帰ってこなくなったという。

「ご飯はほとんど給食でしか食べてませんでした。だって子どもってお金渡されると、ゲームとか違うものに使うわけです。家にゲームがどんどん増えていっても父親は見てないから気付かない。小学校の時は、それでよかったんですよ。中学にあがったら給食が弁当に代わったんです。そうしたら、父親が内縁の妻に僕の弁当を作らせるようになって。毎朝持って来ては、家に置いていくんですけど、どうしても食べられなくて。僕はご飯とか、どんなにまずくても残さないほうなんですけど、内縁の妻のお弁当だけは、食べずに捨ててましたね。けど、お弁当と引き換えに、お金もストップしちゃったんです。栄養失調っぽくなって死にそうになってようやく察してくれて、またお金をくれるようになりましたけど」

内縁の妻Aさんはフジタの同級生の母でもある。フジタの自宅、もしくはAさんの家で、皆で暮らすという選択肢があって然るべきだ。そうしなかったのはなぜなのか。

「12歳年上の兄が家に入れさせなかったんだと思います。内縁の妻は、その時点で結婚が四回目とかで、僕は働いているのを約35年間で一度も見たことがないし、上手く男性を丸め込んで転々とするような人で。僕の亡くなった母親は、お金を持ってる人だったんです。吉祥寺のいいところに店も家も持っていて、その頃の資産は一億円以上あったと思います。それこそ、内縁の妻の子どもは同級生だから、一緒に遊んでいたこともあって、ある時に迎えにきた内縁の妻に『持ち家なの?』みたいなことを遠まわしに探られたっていう記憶もうっすらとあります。嘘かどうかもわからないけれど、父も『向こう(内縁の妻)のほうから(誘いに)来た』みたいに言ってましたし」

兄の意向により、自宅での同居および父の再婚は阻止されたものの、フジタだけ自宅に置き去りにされることになったのは、Aさんの自宅の環境と、苛烈な性格が原因だった。


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