FOLLOW US

UPDATE|2023/01/09

そんな設定あり? これまでの常識を覆した“一風変わった”ミュージカル映画3

『アナと世界の終わり』

『レ・ミゼラブル』や『ラ・ラ・ランド』など、感情を歌やダンスで表現するミュージカル映画。今回はそんな中でも“一風変わった設定”の「これまでの常識を覆したミュージカル映画」にスポットを当てていこう。

【関連写真】究極のエンタメ、映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』

最初に取り上げる作品は2019年に公開された『アナと世界の終わり』。イギリスの田舎町を舞台に高校生たちが活躍する青春ミュージカル映画なのだが、なんとホラーの定番ジャンルである「ゾンビ」もかけ合わせている。

「ミュージカル」×「ゾンビ」という2大ジャンルの融合に成功した作品で、海外の評論家から「『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『ラ・ラ・ランド』の出会い!」と評された。

歌って踊りながらもゾンビと格闘するという新感覚の映像に、「ハイスクール、ゾンビ、ミュージカルの要素がバランスよく調和されている」「ゾンビ映画ならではの“人としての教訓”もしっかり散りばめられているところも良かった」など好評の声が相次いだ。

ホラーのテイストをミュージカルに反映した作品といえば1975年に上映された『ロッキー・ホラー・ショー』も有名。イギリスのロンドンで公開された舞台劇を映画化したホラーミュージカルで、婚約したばかりの男女が雨宿りのために古城に立ち寄ったところ、気味の悪い執事、網タイツやハイヒールを身に着けた城の主、ロッキー・ホラーという人造人間が登場。ホラー要素満点に感じるあらすじだが、怪奇な設定を“コメディチック”に描いているのが同作の特徴になっている。

全編にSF&怪奇映画のパロディが散りばめられており、ノスタルジーとブラックユーモアを持ち合わせた怪作。公開当初は不人気だったが、深夜上映に切り替えた後は多くのファンを獲得している。

いわゆる“カルト映画”として知られている名作で、ネット上には「最初から最後まで意味わからないけど、中毒性が半端ない」「40年以上も前の作品なのに、性を超越したドラッグクイーンが出てくるのは今の時代でも十分に受け入れられる」といったレビューが後を絶たない。

ここまでは変わった設定の2作を紹介したが、他にはミュージカルのポイントになる“歌唱方法”に特徴がある作品も存在する。

たとえば2021年に公開されたアメリカ映画『イン・ザ・ハイツ』の歌唱シーンでは、“ラップ”が採用されている。逆境に立ち向かいながら夢に向かって突き進んでいく若者たちのラップはミュージカルに適合しており、公開後には「想像以上にラップが音楽劇とマッチしている」などの反響が多数寄せられた。

ちなみに、日本にもラップを採用した映画がある。園子温が監督を務めた2014年公開の『TOKYO TRIBE』は世界初のバトル・ラップ・ミュージカル。バトル・ラップとはその名の通り、相手に対して攻撃的なワードを使いながらラップするという表現方法だ。

園監督の特徴であるバイオレンスなシーンとラップが融合し、見事にニュースタイルのミュージカル映画を確立。また同作には日本の有名なラッパーであるANARCHYやKOHHなども出演し、ヒップホップファンの間でも話題になった。

意外とバリエーション豊富な設定や表現方法が存在するミュージカル映画。変わったタイプの作品を鑑賞したいときは、ぜひ今回紹介した映画をチェックしてみてほしい。

【あわせて読む】1年の締めくくりや、新たなスタートに…“世界の年末年始”が描かれた映画3選

RECOMMENDED おすすめの記事