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UPDATE|2023/01/13

Vシネマの帝王・小沢仁志「還暦目前の映画でコンプライアンスを無視しても伝えたかったこと」

小沢仁志 撮影・松山勇樹



『BAD CITY』で演じるのは、ある事件を起こした罪容疑で拘置所に勾留中の元強行犯警部・虎田誠。100人以上にのぼる敵を向こうに回して、CGなし、スタントなしの本格アクションに挑むため、撮影の一年前から家で人型のサンドバッグを打ち続けた。

「『SCORE』はドンパチっていうスタイルだったけど、『BAD CITY』はフルボッコに変わったんだ。撮影が終わってみたら全然余力があったんだよね。あと1週間はできると思った。まだまだ俺もやれるじゃないかと。今回は製作総指揮で、自分で台本も書いたけど、普通だったら還暦近い年齢の役者に、この役は与えないよ(笑)。しかも、ただでさえコンプライアンスがうるさい時代に、コンプライアンスを無視して、普通だったらスタントを入れるところもスタントなしで作った映画。

でも俺は、これが映画だと思う。テレビじゃねぇんだから。今はテレビ主導の映画ばかりだけど、どれも一緒くたじゃん。制約がうるさくなって、一気に日本映画のパワーが落ちちゃった。韓国映画なんて今でもワンカットで、斧で10人ぐらいの頭をかち割っていくじゃん。韓国ではOKなのに、なんで日本では駄目なんだと。勢いを全部、韓国に持って行かれて、めっちゃ悔しい。だから『BAD CITY』ではスタントなしでアクションをやれるよって奴ら、同じ魂で共鳴する奴らを集めて、一つになって勝負したんだ」

冒頭のシーンからバイオレンス描写が満載で、並々ならぬ気概を感じさせる。

「メインタイトルが出るまでの冒頭がお気に入りなんだ。脚本を書きながら、まだケツまで書いてないのに、これはイケるかもって思った。今回は次から次にアイデアが湧いてきたんだ。本編にはないカーチェイスもあって、スタッフから『こんな予算がある訳ないだろう』って大反対を食らって外したけどさ(笑)。脚本の段階でカットしたシーンがたくさんあるから、『BAD CITYエピソード0』も作れるよ」

AUTHOR

猪口 貴裕


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