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UPDATE|2023/01/13

小沢仁志“還暦記念映画”にかける思い「CGなし、スタントなし、俺の魂の熱さを感じてほしい」

小沢仁志 撮影・松山勇樹

“顔面凶器”“Vシネマの帝王”などの異名を持ち、映画、ドラマ、バラエティと、多彩なフィールドで活躍。昨年6月に還暦を迎えた俳優・小沢仁志が、“還暦記念映画”として主演はもちろん、製作総指揮を務め、自らオリジナル脚本も手掛けた『BAD CITY』が2023年1月20日(金)より全国公開になる。これまで300本を超える作品に出演してきた彼の集大成ともいえる本作へかける思いを存分に語ってもらった(前後編の後編)。

【前編はこちら】“Vシネマの帝王” 小沢仁志が還暦目前に映画制作「コンプライアンス無視、パワハラの塊みたいな映画」

【写真】かたせ梨乃、リリー・フランキーも出演、最凶アクション映画『BAD CITY』場面写真

『BAD CITY』は全編に渡って壮絶なアクションシーンが繰り広げられる。監督・アクション監督を兼任したのは、数々のドラマや映画で、アクション監督、アクション・コーディネーター、スタントを務めた園村健介だ。デビュー作『HYDRA』(2019)は海外映画祭でも評価され、アクション監督を務めた『ベイビーわるきゅーれ』(2021)はロングランヒットとなり、続編も公開される。

「事前にみんなで稽古をして、アクションチームから『こんな感じで』っていうのを聞いてたから、ある程度は手が分かった状態で現場に入った。でも(自身アクション監督やアクション・コーディネーターもやっている)TAK∴との対決シーンは、監督が『(殺陣なしの)フリーで』って言いやがるんだ。(海外で”スピードスター”とも呼ばれているアクション俳優のTAK∴に)俺もついてくのがやっとだったよ」

小沢演じる虎田と共に特捜班チームを組むメンバーに坂ノ上茜、勝矢、三元雅芸。壮絶な肉弾戦を繰り広げる面々には、山口祥行、波岡一喜、本宮泰風など、アクションに定評のある俳優陣が名を連ねる。

「CGなし、スタントなしだからごまかしなんて効かない。みんなマジだよ。しかもカットを細かく割らない上に、一発で終わらず、10テイクとか平気でやる。『キープでもう1回』とか言って、何個キープするんだよというぐらいやるんだ。特捜班チームが中心になって120人ぐらいの敵と戦う後半のシーンは、俺、三元、坂ノ上がいろいろやってから、最後のほうで波岡も加わるけど、俺たちの立ち回りを見て燃えてたんだろうね。波岡が1発目からぶっ飛ばしてるのが伝わってくるんだ。そういう共鳴がいいのよ。

こんなノリの日本映画は、ここ最近ないよね。だって撮れないもん。たとえば『ハイロー(HiGH&LOW)』だってスケールはデカいし、アクションやカメラワークも頑張ってるよ。でも、この映画は50代の役者が中心で、若くて40代。20代は坂ノ上ぐらいだから。おっさんがこんだけやってるけど、お前ら(若手)はできんの? って問いかけでもあるよね」

AUTHOR

猪口 貴裕


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