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UPDATE|2023/03/08

元宝塚歌劇団・早花まこ、退団してから感じる“強み”「苦労は当たり前、無駄だと思わない」

早花まこ 撮影/荻原大志

宝塚歌劇団・雪組に所属し、2020年3月に退団した早花まこ。3月1日に発売され、9人の宝塚OGに“セカンドキャリア”というテーマで取材・インタビューを行った書籍『すみれの花、また咲く頃―タカラジェンヌのセカンドキャリア』に合わせ、インタビューを通じて感じたことについて聞いた。

【写真】元タカラジェンヌ、早花まこ撮りおろしカット【10点】

──『すみれの花、また咲く頃―タカラジェンヌのセカンドキャリア』でのインタビューは、早花さんが退団後の進路について先輩方にお話を聞かれたことがきっかけでスタートしたそうですが、webでの連載という形で掲載されるのにはどういう経緯があったのでしょうか?

早花 宝塚はやはりちょっと特殊な世界というか、限られた世界の中にいるので、セカンドキャリアがどうなるかというイメージを掴むのには、先輩にお話を聞くのが一番なんですね。私自身その経験があり、もっといろんな方のお話を聞いてみたいと思っていたところ、この本の編集の方とご縁がありましてお知り合いになったんです。そのときに「こういうものを書いてみたい」とお伝えして書かせていただくことになりました。

お話を聞いてみたい方はたくさんいらっしゃったんですけど、今回は“セカンドキャリア”ということに焦点を当て、宝塚の舞台で個性を出して活躍されて、その上で今セカンドキャリアに挑戦している方、結果というよりも挑戦の仕方が気になった方にお声かけさせていただきました。

──実際にお話を聞く中で印象に残ったこと、セカンドキャリアというテーマでお話を聞いた意味があったと感じたことはありますか?

早花 印象的だったのはこれをやりたいから次に行きますという方もいらっしゃれば、迷われたり、いろんな道を探って探って今に至る方、あとは本当に何も決めずに卒業して目の前のことに集中していたら道が開けてきた方など千差万別で、いろんな生き方があるんだなということ。お話を聞いた9人のみなさんは、そのときの「やってみよう」という気持ちをすごく強く持たれていて、ちょっと迷いがあっても、目の前が開けたときに飛び込む力や自分から一歩踏み出す力があったから、この9つのセカンドキャリアを確立されているんだなと感じました。

──現役時代のお話の中で驚いたのが、小道具や髪飾りを出演されるみなさんが作っていらっしゃったり、お稽古や本番以外でもやらなきゃいけないことがとても多いことでした。今、新しいジャンルでのお仕事をされている中で、宝塚での経験が生きていると感じることはありますか?

早花 舞台ってとにかく時間がかかりますし、簡単にできない、はしょれないもので、髪飾りにしたって時間をかければかけるほど納得のいくものができるし、お稽古も終わりがないんですよね。文章も同じだと思うんですけど、お話を聞いてよくしようと思ったら話し合ったり考えたりして、ゴールがないじゃないですか。でも私はそういうところでの苦労を当たり前だと思っているといいますか、いいものを作ろうと思ったら時間がかかるものだから、「これだけやったのに」ということはあまり思わないんです。今研究されているような、早く・たくさん・効率よくというものとはちょっと程遠いんですが(笑)。

CREDIT

取材・文/東海林その子 撮影/荻原大志


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