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UPDATE|2023/04/08

おかもとまり、“広末涼子ものまね”芸人時代を振り返る「笑いがとれないのに芸人という肩書は重荷だった」

おかもとまり 撮影/田中健児



「古賀シュウさんから、『ショートカットで少し広末涼子ちゃんに似ているし、タカさん(石橋貴明)も涼子ちゃんが好きだからモノマネしてみれば?』というアドバイスをもらって。そこからテレビやMVを観て研究し、いくつかパターンを作って受けたら見事に受かったんです。正直『あれ?』って。練習中ずっと『どこが広末涼子さんに似ているの?』と疑問に思っていたので、何が引っかかったかわからないことが、自分の心に引っかかりました(笑)」

本番の記憶はあまりに鮮烈な体験すぎて残っていなかった。微かに残るのは、2本目のネタがウケず裏で大泣きし、先輩の小出真保に『おかもと、本気なんだね』と、慰められたことだけ。この痛い経験と裏腹に、世間はおかもとを“見つけた”。『細かすぎて~』出演翌日には週刊プレイボーイからグラビアのオファーが舞い込む。モノマネからまさかのグラビア。あれよと誌面に掲載されると、そこのキャッチにはこう書かれていた。

「かわいすぎる女芸人」。

宙に浮いていたおかもとの立ち位置は、この日から芸人にカテゴライズされることになる。

「笑いをとれないのに、“お笑いの人”という目で見られてしまい、まるで『東大卒の人』と言われているぐらいの高いハードルに乗った感覚で重荷でしたね。毎日が夏休みのようにワクワクすることが舞い込む一方、何かしらの結果も残さなくちゃいけないプレッシャーが襲い掛かる毎日でした」

目まぐるしく変わる環境、その中でおかもとは自分の立ち位置を俯瞰していた。

「少し経てばこの勢いは一段落すると思い、何か資格を取ろうと考えていました。想像通り2年目には仕事も落ち着き、私が番組内で求められる立ち位置も理解してきて。この頃は、温泉ロケで『気持ちいい~!』と言って、モノマネすることが一番求められる仕事でした。ならばその良さを最大限に活かそう!と思い、温泉ソムリエの資格を取得したんです。予想は的中、旅ロケ仕事が増えました。とはいえ、『求められるものにどう応えるか?常に成功しなくちゃ生き残れない!』という焦りからくるものでした」

あらためてあの頃の、おかもとまりはどういうタレントだったのか?

「“運が良い子”でした。可愛いタレントさん、面白い芸人さんを間近で見ているからこそ、特技を持たない私にお仕事が来たのは運以外なくて。たまたまあの頃『かわいすぎる○○』が流行っていた時代に見つけていただいただけ。本当にとてつもなくラッキーな女の子ですね(笑)」

(取材・文/田口俊輔)

▽おかもとまり
1989年12月13日生まれ、群馬県出身。“広末涼子似のかわいすぎる女芸人”として一世を風靡、現在は講演会講師のほか、映像制作、映画/アニメの原作・原案を中心に、公演活動など幅広く展開中。
Twitter:@okamotomari1989
Instagram:okamotomari1213
CREDIT

取材・文/田口俊輔 撮影/田中健児


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