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UPDATE|2023/04/05

オズワルド伊藤俊介が初エッセイ本に込めた本音「妹、伊藤沙莉への思いを言語化できた」

オズワルド伊藤俊介 撮影/松山勇樹



「本の中で、沙莉(実妹の女優・伊藤沙莉)について僕が思っていたことを説明するところがあります。<いかんせん心を許さなければならないような状況を作ってくる人間に弱い。この、心を許さなければならないような状況を作ってくる人間ってのはかなりやっかいである>と。ここは、我ながら『言葉にできた!』という喜びを感じた部分ですね。

そんなに親密な関係じゃないけど、無下にできない理由を作ってくるヤツって結構いるんですよね。うちの妹は、特にそういう人に近寄られやすくて、人間関係のトラブルに巻き込まれやすいタイプなので、いつも心配していて。そういう思いを言葉に落とし込めて、スッキリしました」

家族をはじめ元ルームシェアメンバー、マネージャー、キャバクラバイト時代の同僚、そして相方らとのエピソードからは、その全員に対する伊藤の愛情や感謝が感じられる。こうした印象を読み手に与える内容になったゆえんについて、本人は「僕は口が悪いので、そういうところでプラマイゼロにしようと思ったんですかね(笑)」語ってから、このように続けた。

「基本的に、人のことを嫌いになれないんですよ。芸人になってから『アイツとは飲みたくない』と思ったのって、片手で数えられるくらいなんです。人の良いところを探すことが、もう癖になってるのかもしれませんね。母子家庭で、妹二人と一緒に育っていたり、10年くらいキャバクラで働いていてキャバ嬢の皆さんにご飯食べさせてもらっていたりもしていたので、特に女性に対しては褒めるのが当たり前の体になってくるというか。

あとはシンプルに、周りの人間を見ていて『凄いなあ』と感じることが多いんですよね。とにかく僕は、自分の人間性が話にならないくらい終わっていると思っているので(笑)、隣の芝が青く見えがちなんじゃないかと。なので、自分ができないことをできる人を見て『凄いなあ』と言っているだけです」

<『書く』という表現は、思いを綴ることによって自分自身をわかってあげることであると思えてならないのである>

2020年9月投稿の「書くということ」と題される記事内に、このような見解を明かしていた伊藤。最後に、初著書『一旦書かせて頂きます』を書き上げた現在の心境を聞いた。

「マジで率直に言うと『自分って、本を出すときこんなにも印税のことで頭が一杯になるんだ』って、ビックリしてます。これが一体何冊売れて、一体何%が入ってくるのか、いま一番気になるところです(笑)」
AUTHOR

菅原 史稀


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