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UPDATE|2023/05/01

「同じ草はひとつもない」民衆の心を動かした、自由権運動にも通ずる万太郎の演説

連続テレビ小説『らんまん』より/NHK提供

NHKの第108作目となる連続テレビ小説『らんまん』。4月24日~4月28日に放送された第4週“ササユリ編”では槙野万太郎(神木隆之介)が酒蔵・峰屋の主になることを決意してからの様子が描かれた。幼い頃からの夢であった植物の研究を諦めるも、新たな出会いによって万太郎の気持ちが揺れ動いていく。

【写真】植物学者として生きていくことを決意した万太郎ほか第4週場面カット【11点】

東京から戻った万太郎は峰屋の主になることを決意し、祖母のタキに「植物の研究はやめます」と伝えた。大きな決断をした万太郎だったが、そんな彼を心配する竹雄(志尊淳)はタキ(松坂慶子)に東京で万太郎とケンカしたことを報告。峰屋の当主になるのか、植物の研究を続けるのか、その2つを天秤にかけさせたが、竹雄としてはそれが正しいおこないだったのかわからないと胸の内を明かした。

それからタキは峰屋の今後を考え、万太郎と綾(佐久間由衣)に「2人は夫婦になれ」と勧める。綾は万太郎の従妹であるため夫婦になることは可能だが、2人は反発。綾には蔵人の幸吉(笠松将)という好意を寄せる人がおり、反発した後に彼の様子を見にいく。しかし、そこで目にしたのは妻であろう女性の姿。綾は行くあてもなくどこかに向かって歩いていくのだった。

その頃、万太郎と竹雄は綾を探すために高知に向かい、そこで自由権運動のリーダーである早川逸馬(宮野真守)と出会う。早川は民衆の前で演説をしており、その言葉のなかで“役立たずの雑草”と話すと、万太郎はつい「それは違う!」と声を上げてしまう。

反対勢力と勘違いされた万太郎は演説会の舞台に上げられ、雑草について熱く語り始める。万太郎の「同じ草はひとつもない、葉の形、花の色、どこに生きるか」「どの草も命をつないでいく」という発言が、自由権運動の目指す形である天賦人権、生存の権利、同志の団結などの真意と当てはまり、早川は万太郎とともに民衆を鼓舞。ちなみに演説会の場には偶然にも綾の姿があった。

雑草の特徴と自由権運動に必要な要素が被ったことに対し、「雑草って雑に扱われがちだけど、万太郎のおかげで考え方が変わった」「雑草と民衆をイコールにした早川逸馬の盛り上げ方には心が震えた」といった好評の声が相次いだ。

その晩、早川は万太郎に老人であるジョン万次郎(宇崎竜童)を紹介。万太郎は万次郎の自由について話を聞き、「人生は短い、後悔せんように」とアドバイスされる。さらに万次郎はシーボルトが日本の植物について書いた本を万太郎に渡し、中身を見た万太郎は“日本の植物を世界に知らしめる”ことを決意。「今、やらんといかんがです!」と宣言し、新たな夢に向けて歩き始めようとしていた。

植物学者として生きていくことを決意した万太郎は、タキをどのように説得するのだろうか。今週の“キツネノカミソリ編”からも目が離せない。

【あわせて読む】ついに東京に進出、万太郎の人生が大きく変化する重要な“2つの出会い”
AUTHOR

桐島 淳平


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