確かにそれまで横浜が演じてきた役柄は、クールでカッコ良く、女性にモテそうなキャラクターが多かった。そんなイメージを打ち砕いた2022年の出演作品といえば、映画『流浪の月』が真っ先に思いつく。
同作で彼が演じていたのは、主人公の恋人・中瀬亮。一見、非の打ち所がない上場企業のエリート社員なのだが、物語が進むにつれて彼の異常性がどんどん湧き出してくる。
『流浪の月』での横浜はもはや嫌悪感ある存在でしかなく、今まで彼の役どころに色めき立っていた女性たちも「さすがにこんな男は嫌だ」と心から思ったのではないだろうか。
現に同作が公開される前と後では、インスタグラムのフォロワーが約3万人減ったそうだ。それは多くの人が彼の演技をリアルに感じた証拠であり、横浜本人も「役者冥利に尽きる」と映画のティーチインで語っていた。
そしてここから彼の演技の幅は広がっていったように感じる。映画『アキラとあきら』では冷静沈着でありながら内なる闘志を秘めた銀行員を演じ、2022年10月に公開された『線は、僕を描く』では水墨画に魅せられた悲しき過去を持つ青年を熱演。
いずれも難しい役柄でありながらも、ネット上には彼の演技力を称賛する声で溢れていた。
作品を重ねるごとに俳優としての輝きを増す横浜。2025年には大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)で主演を務めるが、同作が放送される頃には、今以上にステップアップした“俳優・横浜流星”を見せてくれるに違いない。
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