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UPDATE|2023/07/04

大人も唸るストーリー展開…55周年『ウルトラセブン』が残した人類への警鐘

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 第37話「盗まれたウルトラ・アイ」は、祖国とは何だろうかと考えさせられるストーリー。「マゼラン星」からやってきたマヤという少女により、ウルトラセブンに変身するための「ウルトラ・アイ」が盗まれる。

 マヤはマゼラン星の工作員。主人公であるモロボシ・ダンがウルトラセブンに変身できないでいる隙に、マゼラン星からミサイルを発射させ、地球を破壊しようという策略だ。

 マヤは奪ったウルトラ・アイを手にした後、迎えに来るようマゼラン星に連絡するが「迎えに及ぶ時間はない」と断られる。ひとりの命を犠牲にして祖国の念願を果たそうとするマゼラン星側と、祖国に裏切られて命の危機に面したマヤとの対比が秀逸だ。国家の価値と命の尊さ、この問いは令和の時代になっても未だに答えが出ないテーマではないだろうか。マヤの儚い運命に「マヤの事を思うだけで・・ああ、もうダメだぁ」と涙するファンもいる。

 今回紹介した3つのストーリーは、人間の信頼関係、限りのない軍備増強、そして国家と個人の命について深く考えさせられる内容だ。55年前に提示された問いに、我々はいかなる答えを出すべきなのだろうか。

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