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UPDATE|2023/07/08

『どうする家康』は家康黒幕説の物語になる? 瀬名の壮絶な最期は「本能寺の変」の伏線か

『どうする家康』(NHK)公式サイトより

NHK大河ドラマ『どうする家康』第25回で描かれた「築山殿・信康事件」。徳川家康(松本潤)の妻である瀬名(有村架純)と愛息・松平信康(細田佳央太)が自害した今、ここから物語は大きく展開していくに違いない。そして歴史上のターニングポイントである「本能寺の変」もまた、刻一刻と迫りつつある──。

【関連写真】岡田准一、古田新太、有村架純ら個性豊かな『どうする家康』出演者たち

ここで気になるのは、『どうする家康』において本能寺の変がどのように扱われるかという点だろう。日本史の中でも謎が多く残されている本能寺の変は、これまでのフィクションの中でも様々な解釈で描かれてきた。

例えば2020年~2021年まで放送された『麒麟がくる』(NHK)は、長谷川博己演じる明智光秀が主人公だったこともあり、暴走した信長(染谷将太)を光秀が討とうとし、最後は信長の自害によって終局するという、展開だけ見れば定説通りの物語が描かれたものの、結末に至るまでの各々の感情の流れなどに、オリジナリティを見せた。

しかし『どうする家康』の主人公は、光秀ではなく家康。『麒麟がくる』と展開は同じでも、光秀がヒロイックに描かれる可能性は低い。とりわけ『どうする家康』の光秀(酒向芳)は、家康にとって“嫌なやつ”として描かれている。

第13回で家康が妻や子どもたちへのお土産に買った「コンフェイト(金平糖)」を足利義昭(古田新太)に取られてしまう場面でも、光秀は冷ややかな笑みを浮かべていた。また自分の非を棚に上げて家康に責任を押しつけたりするなど、今作の光秀はとにかく器の小ささがにじみ出ているのだ。

こういったキャラクター性から鑑みるに、計画的に信長を討つというよりは、たまたま討つ機会が巡ってきたから本能寺の変を起こした、という展開の方がしっくりくるだろう。

あるいはムロツヨシ演じる狂人一歩手前の豊臣秀吉が、光秀をそそのかして本能寺の変を起こさせる可能性も考えられる。実は歴史ファンの間では、本能寺の変の背景として“秀吉黒幕説”がまことしやかに囁かれてきた。

残念ながらこの説を裏付ける史料は見つかっていないため、信ぴょう性こそ低いものの、『どうする家康』の世界線となれば話は別だ。同作に登場する野心の塊のような秀吉なら、己の出世のために信長を討ってもおかしくはないだろう。

しかし「築山殿・信康事件」を濃密に描いてきた今作においては、“家康黒幕”ルートという衝撃展開も考えられそうだ。


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