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UPDATE|2023/07/25

チケット即売り切れ・ハリウッドザコシショウが生のライブにこだわる理由「100%の自分を出せる」

ハリウッドザコシショウ 撮影/松山勇樹

「誇張モノマネ」という唯一無二の芸風で、お笑い界に風穴を開けたハリウッドザコシショウ。芸歴30年、毎夏恒例の単独ライブツアーは4都市5公演がすべてソールドアウト。急遽、9月17日(日)に東京・四谷区民ホールでの追加公演が決まったほどだった。「ライブこそ芸人の真価が問われる場所」と言ってはばからない彼が、お笑いに対する熱い想いを語った。(前後編の前編)

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「昔は単純にライブしかなかったんです。YouTubeも存在しなかったし、テレビにも出ることができなかったし。だから文字通り全精力をライブに注いでいました。もちろん今も手を抜いているわけではないんですけど、少し余裕が出てきた部分はあるかもしれない。芸人って普通、自分たちの単独ライブが近づいてくると焦るものなんです。『やべぇ、もう時間がないわ』とか『ネタが思いつかない』と悶え苦しみながら。昔ほどプレッシャーを感じなくなったのは、たぶん経験値によるものでしょうね」

ハリウッドザコシショウのライブがチケット争奪戦になる理由として、毎公演、内容が変わっていくという点がある。熱心なファンなら何度も足を運びたくなるのは当然の話。しかし、やる側からすると事前の準備が数倍にも及ぶことは想像に難くない。

「お笑い芸人の単独ライブというのは、コミックスの最新刊に似ているんです。定番コントをベースにしつつ、最新話も楽しめる感覚。『ONE PIECE』(著・尾田栄一郎/集英社)の最新刊が出たから、ワクワクしながら買いに行く……そんなふうに会場に足を運んでいただけたらうれしいです。あるいはミュージシャンが新アルバムを出してツアーするときも、最新曲だけじゃなくてファンに愛される代表曲も演奏するじゃないですか。そのへんのバランスは試行錯誤しながら、いろいろ考えています。

やっていて難しいなと感じるのは、県民性じゃないけど、会場によってリアクションが全然違うんです。特に大阪は笑いに対する目が肥えているからか、東京や名古屋でウケることがダメだったりする。自分の知らない新ネタよりも、テレビで観たものを求める傾向が強いんです。あと僕のライブでは、パートとパートの合間にオリジナル映像を流しているんです。東京とかだったらお客さんもかぶりつきで観ているけど、大阪だとトイレタイムになっちゃうんです。あの映像、わりと力を入れているんだけどな(笑)」

目の前にいるのは、決して安くはないチケットを購入した観客だ。当然、少しでも喜んでもらおうとハリウッドザコシショウは常に試行錯誤している。ネタの精度を高めることは言うまでもなく、シュールでトリップ感あふれる音楽や映像もすべて本人がこだわり抜いたうえで構成しているという。

AUTHOR

小野田 衛


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