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UPDATE|2023/08/01

『あいの里』Pが語るヒットの確信「人生の後半をどう生きていくか、人間の本質が見られる作品」

Netflixリアリティシリーズ「あいの里」独占配信中



MCに田村淳(ロンドンブーツ1号2号)とベッキーを採用したのも、西山氏の思惑だ。

「この番組に関してスタジオの役割っていうのは、VTRに対する共感と補完だと思っているんです。MCにはできるだけ住民の1人ひとりに共感して欲しいし、補完というのは、VTRのナレーションでそこまで言っちゃうのは言い過ぎになってしまう場合、その部分をスタジオでMCに言って欲しいという意図。田村さんもベッキーさんも、ふたりとも違う番組で仕事したことがあるんですけど、本当に天才だし、実際、共感も補完もきっちりと先回りして、我々が欲しいコメントを言ってくれる人なんです」

ドキュメンタリーとして出演者の個性やこれまでの人生を浮き彫りにし、バラエティの手法でエンターテインメントと成立させた『あいの里』。その軸は恋愛だ。「あいのり」で若者の恋愛を撮った西山氏は、今回、大人の恋愛を追ってどう感じたのだろうか。

「若い人の恋愛って、お互いを見つめる恋愛だと思うんですが、大人の恋愛は、お互いを見つめ合うのではなく、同じ方向を見る。一方の見る先がスーパーの30%引きのシールなのに、もう一方の見る先が、青山のレストランの3000円のランチだったら、ちょっと見ている方向が違うってなりますよね。同じ方向を見られるかどうかを、お互いに探り合いながらする恋愛が、大人の恋愛だと思います」

しかし、出演者たちの誰もが大人の恋愛ができているわけではない。むしろ、『あいの里』では、それができずにジタバタと奮闘する出演者たちの姿に、視聴者たちは共感し、心を奪われることとなった。

「出演者に限らず、ある程度の年齢であっても、みんな恋愛初心者みたいなところがありますよね。ちゃんと恋愛をした回数って、せいぜい数回。だからみんな不器用だし、その部分が愛らしくて、人間くさくて面白い。それが、この番組の魅力だと思うんです」

最後にまだ、見ていないという人たちに向けて西山氏にコメントを貰った。

「人生の後半をどう生きていくか、人間誰しもが関心のある、本質的な部分が見られる作品だと思っています。しかも泣いて笑える。観てもらえたら絶対に面白い。冒頭はスタートだから、深い恋愛になっていないけど、どんどんと深くなっていくので、最初の3話か4話くらいは我慢して観てみてください」

取材・文/大泉りか


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