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UPDATE|2023/08/29

乃木坂46、新体制で挑んだ『真夏の全国ツアー』に幕「乃木坂46が誰かの頑張る理由になれるように」

乃木坂46『真夏の全国ツアー2023』最終公演



ライブ中盤では久保史緒里や向井葉月、金川、黒見明香、柴田柚菜を中心にプロ野球12球団のユニフォームを着用したメンバーたちが「Never say never」を堂々と歌唱。また、続くバラードアレンジが施された「シンクロニシティ」では久保や賀喜などがソロを取りながら、メンバー全員でアカペラを交えて繊細な歌声を響かせていく。

そして、井上からの提案で会場中のペンライトが一斉に消されたあと、「皆さんにとって大切な人のことを思い浮かべながら聴いてください」のメッセージとともに、最新シングル収録曲「誰かの肩」が感情をたっぷり込めて歌い紡がれていった。センターステージに灯された炎の明かりだけで歌唱するこの感動的かつ幻想的な演出は、野外ライブならではの醍醐味と言えるだろう。

梅澤、山下、与田による和やかなトークを挟み、ライブ後半戦では各期の原点的な楽曲がパフォーマンスされる。まずは5期生が「絶望の一秒前」で再び会場の温度を高めると、続く4期生は「4番目の光」でその勢いを引き継ぎ、最後は3期生が「三番目の風」で客席の熱気を沸点にまで上昇させてみせた。その後、梅澤が「乃木坂の温度感を受け継ぎ、手を取り合い、歴史のあるこの場所から新たな夢へ歩き出します」と高らかに宣言し、「設定温度」を3〜5期生で歌いつないでいく。

かつて1〜3期生によって神宮で歌われたこの曲が、時を経て新たな形に生まれ変わる。こうして乃木坂46の歴史は未来へとつながれていくのだと言わんばかりの演出に、客席からは惜しみない拍手が送られた。

メンバー個々の技量の高さが際立つダンストラックを経て、ライブもいよいよ佳境へ。遠藤の熱のこもったダンスが印象的な「ごめんねFingers crossed」、中西アルノが力強い歌声で観る者を惹きつける「Actually...」、与田&岩本蓮加のダブルセンターで華やかさを演出する「逃げ水」と、クールかつ幻想的な世界が展開されていく。さらに、5期生曲「バンドエイド剥がすような別れ方」、4期生曲「I see...」をメンバー全員で多幸感いっぱいにパフォーマンスすると、3期生曲「僕が手を叩く方へ」では会場中がハンドクラップでひとつになり最高潮を迎える。

本編最後の楽曲に入る前、井上が今回のツアーを振り返るコメントを述べていく。彼女は昨年のツアー後にある先輩から手紙をもらったこと、その中に「私は身近な人に尊敬してもらえるような人になることが目標。和ちゃんにもそんな人になってほしい」と記されていたことを告げると、「その言葉を今もすごく大切にしています」と口にする。

続けて、「私は正直まだこのツアーでできないことも多くて、素直になれなかったり、メンバーとかスタッフさんにたくさん迷惑をかけたなと思うんです。今までのツアーの期間を振り返ると、どれだけ自分に対して甘く評価してもあまり身近な人に尊敬してもらえるような人になれてなかったかなと思ってしまうんですけど……でも、私ももっと誰かの期待に応えられるような人になりたいし、もっと希望を与えられるような人になりたいなと思います。そして、この乃木坂46が誰かの頑張る理由になれるように、頑張ります」と前向きなコメントを寄せた。

そして、「この中に“おひとりさま”はいるかーっ? おひとりさまも、そうじゃない人も、この曲で盛り上がっていきましょう!」と叫び、ラストナンバー「おひとりさま天国」へ突入。祝祭感の強いEDMサウンドに乗せて、井上を中心とするメンバーたちは満面の笑みでこの曲を届けると、クライマックスでは神宮上空に460発もの花火が盛大に打ち上げられ、夜空が華やかに彩られたところでライブ本編は幕を下ろした。

CREDIT

文/西廣智一


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