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UPDATE|2023/09/30

原点回帰ではなく新解釈!ティーンエイジャー要素を強調した新しいタートルズ映画が誕生

(C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC.

「タートルズ」シリーズの最新作『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』が9月22日から公開されている。

【写真】『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』場面写真

本作は、『スモーキング・ハイ』(2008)や『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』(2019)のような、子どもがそのまま大人になったような純粋さとバカらしさが魅力だ。

『フェイブルマンズ』(2022)などで真面目な演技もみせるセス・ローゲンが脚本と製作を手掛け、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007)や『ソーセージ・パーティー』(2016)などセスと何度もタッグを組んできたエヴァン・ゴールドバーグも参加。そして『ミッチェル家とマシンの反乱』(2021)がアカデミー賞にノミネートされ、世界中から注目を集めるジェフ・ロウが監督を務めている。

『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』は、アニメや実写版含め「タートルズ」シリーズのなかでも、ティーンエイジャーという要素をより強調させたものとなっているのだが、「タートルズ」の正式名称は「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」通称TMNT。もともとティーンエイジャーということを全面に押し出している作品でもあることは御存じだろうか。

そのため、ティーンエイジャーという設定は未熟さという部分で大きく機能してきたのだが、今作では、そのティーンらしさ、つまり感受性が高く繊細で、どこか不安定、そして危うさもあるといったものを、人間と同じように描くことで、全く新しい「タートルズ」が誕生したといえる。

テーマもマイノリティへの葛藤とすることで、より現代らしさ、今の若者たちが抱える問題とリンクさせている。

ただ、そういった描き方というのは、原点回帰というわけではないし、キャラクターの設定も大幅に変更されていたりすることもあって、再解釈と言った方が正しいだろう。意識しているはずはないと思うが、ちょっと……「おそ松さん」テイストになっている。

映像の点でいえば、アニメーションの最新技術を活かした、全編グラフティアート、もしくはコミックがそのまま映像化されたような映像からにじみ出るアートセンスは目を見張るものがある。キャラクターや小道具、建物、背景などの作品内の全ての物の描き方を観ているだけでも楽しい作品だといえるだろう。

そこで気になるのが、知っているようで知らない、そもそも”タートルズ”とは何なのだろうか。ということではないだろうか。


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