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UPDATE|2023/09/30

原点回帰ではなく新解釈!ティーンエイジャー要素を強調した新しいタートルズ映画が誕生

(C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC.



「ティーンエイジ・ミュータントン・ニンジャ・タートルズ」というコミックは、もともとマーベルコミックスの「デアデビル」(とくにフランク・ミラー版)に登場する忍者やバイオレンスと「ニュー・ミュータンツ」のティーン特有の悩みやマイノリティとの葛藤いった要素を、カメのキャラクターに落とし込んだパロディ漫画がルーツ。キャラクターも「デアデビル」の要素が強く、フット団というのも、「デアデビル」に登場する”ザ・ハンド”が原型にある。

もともとニートのような生活をしていたケヴィン・イーストマンとピーター・レアードのふたりによって、悪ノリ的に自費出版されたもの。アニメの印象もあって、コミカルなイメージが強いかもしれないが、実は血生臭いバイオレンスコミックなのだ。

そんなコミックを生み出したミラージュ・スタジオという出版社も普通の家のリビングをケヴィンとピーターがそう呼んでいただけだった。半信半疑の状態で約3300冊が出版されると、それが完売。すぐさまシリーズ化することが決定し、そこに目をつける投資家たちも多く表れた。

しかしそこで問題となったのがフランチャイズ化しても、そのままのテイストでは子どもに受けいれられず商品が売れないという点だ。

大衆に受け入れてもらえるようにと、コミカルな要素や可愛らしさなどが足されていった結果として、90年代のアニメや実写映画のコミカルで愛されるキャラクターのイメージが定着していった。

その結果、今のイメージがあるわけだが、本来の血みどろタートルズも観てみたいと思っているファンも多いのではないだろうか。そんなオールドファンは、最新作をどう評価しているのだろうか。

とくに日本では「ミュータント・タートルズ」と訳されることが多く、過去に公開された映画も『ミュータント・タートルズ』(1990)や『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』(2016)、日本ではNetflixで配信されている『ライズ・オブ・ミュータント・タートルズ: THE MOVIE』も、ティーンエイジという部分が省かれており、90年、2000年、2010年代のシリーズのどれもが「ミュータント・タートルズ」もしくは「ミュータント忍者タートルズ」とされている。

今作の原題も『Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutant Mayhem』となっているように、おそらく日本で公開・放送された映像作品ではまともに「ティーンエイジ」と記載されたものは無いため、ティーンエイジという要素を忘れて観てしまいがちになるのだが、そこが強調されたことで、改めてタートルズが”ティーンエイジャー”であることを再認識してもらいたい。

そのことを意識して、過去の作品も観てみると今までのタートルズ作品に、より深みが増してくるのではないだろうか。

【ストーリー】
子供のころより‘危険な存在’である人間から隠れて暮らしてきたタートルズたち。’普通のティーンエイジャー’として彼らが住む大都市ニューヨークのみんなに愛され受け入れられたいーその願いを叶えるため、新たな友人エイプリルの助けを得つつ謎の犯罪組織との戦いに繰り出す。そんな彼らの前に現れたのはミュータント化した敵の大群だった……。

【クレジット】
監督:ジェフ・ロウ(『ミッチェル家とマシンの反乱』)
製作:セス・ローゲン、エヴァン・ゴールドバーグ、ジェームズ・ウィーバー(『ネイバーズ』)
<声の出演>
シャモン・ブラウン・Jr、ニコラス・カントゥ、ブレイディ・ヌーン、マイカ・アビー、ジャッキー・チェン、ジョン・シナ、アイス・キューブ、ジャンカルロ・エスポジート、ポスト・マローン、ポール・ラッド、マーヤ・ルドルフ、セス・ローゲンほか
<日本語吹替版キャスト>
宮世琉弥、齊藤京子、佐藤二朗、土屋神葉、戸谷菊之介、榊原優希、堀内賢雄、朴璐美、草尾毅、木内秀信、落合弘治、中村悠一、竹内順子、沢城みゆき、梶裕貴、長谷川カオナシほか
原題:Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutant Mayhem
配給:東和ピクチャーズ
(C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC.

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