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UPDATE|2023/10/22

鈴木亮平主演『下剋上球児』、半年間に及ぶ実技テストもパスした出演者が魅せる驚きの野球シーン

日曜劇場『下剋上球児』(TBSテレビ)公式HPより

7月から放送した夏ドラマの中でひときわ話題を集めた日曜劇場『VIVANT』(TBS系)。その熱をしっかり引き継ぎ、秋からの日曜劇場でも熱中させてくれそうなドラマ『下剋上球児』が10月15日からスタートした。本作はノンフィクション作品の同名原作から着想を得て制作されたオリジナルストーリーとなっている。

【関連写真】『下剋上球児』主演・鈴木亮平と元プロ野球選手の鳥谷敬

大筋のストーリーは、元高校球児で現在三重県立越山高校で社会科地理・歴史を担当している南雲脩司(鈴木亮平)が、部員1名の野球部顧問に就任して甲子園を目指すというもの。正直“ベタベタなストーリー”ではあるが、高校野球を通じて現代社会の教育、地域・家庭の問題などにも切り込むようだ。本作のプロデューサーを務める新井順子氏は『MIU404』『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』といった様々な社会問題を扱っていたドラマを手がけた経歴がある。日曜劇場らしいアクロバティックな展開はもちろん、登場人物が抱えている、また直面する問題を繊細に描いてくれることにも期待したい。

1話では、2016年3月から始まり、その時は部員は2年生の日沖誠(菅生新樹)のみだったが、4月になって新入生が入ったことで何とか人数が揃い、練習試合が組まれる。ただ、練習試合を予定していた高校が、越山高校が弱小校ということもあってか、ドタキャンされてしまう。せっかくメンバーが集まり、気持ちが高まっていたにもかかわらず、幸先の悪い船出となった越山高校。

しかし、脩司が町中を駆け回り、急遽草野球チームと練習試合をすることに。試合は2対12の大敗だったが、エース候補の犬塚翔(中沢元紀)の投手としての成長を予感させる、なにより過去の出来事によって野球から遠ざかっていた脩司の心にもう一度情熱を宿す熱い展開が見られ、今後の放送がますます楽しみになる内容だった。

1話を見て特筆すべき点は、本当に野球の試合を観ているかのようなリアルなプレーだ。スポーツを題材にしたドラマの場合、どうしても役者の動きたどたどしさを覚えるケースは珍しくない。とりわけ、野球は打つ、走る、守る、投げるなどやらなければいけない動作が多い。「打ち方は良いけど投げ方に違和感がある」「投げ方は良いけどベースランニングが直線的すぎる」といったことが目に付く。

ただ、本作に出演している生徒、もとい選手は演技と野球の実技テストなど約半年間にも及ぶオーディションを突破した面々が務める。試合中の動きに違和感を覚えることはなく、誠の投球フォームもとても綺麗。菅生は身長183センチあり、その長い手足からボールを投げる姿は何度でも見たくなる。また、登場人物をアップで映したり、ポイントポイントでスローモーションを入れることで、ぎこちないプレーは目立たない。むしろ映像に緩急が生まれ、より一層臨場感が生まれている。
AUTHOR

望月 悠木


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