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UPDATE|2023/11/25

『ブギウギ』草なぎ剛演じる羽鳥善一はなぜ魅力的? 唯一無二の演技力を支える“静の演技”とは

草なぎ剛演じる、大阪生まれの作曲家・羽鳥善一(朝ドラ『ブギウギ』公式アカウントより)

現在放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』で、役者としての草なぎ剛が再注目されている。実在の作曲家・服部良一氏をモデルにした羽鳥善一という人物の役を演じているのだが、捉えどころのないキャラクター性を見事に表現しており、視聴者から絶賛されているようだ。

【関連写真】スズ子に500回以上出だしを歌わせる羽鳥善一(草なぎ剛)

劇中の羽鳥は、つねにニコニコしているものの音楽家としてはシビアな目線を持っており、主人公の福来スズ子(趣里)に対して、厳しい要求を次々と投げかけていく。

例えば「ラッパと娘」という楽曲のレッスンを行っている場面でも、歌い出したスズ子に羽鳥は「ジャズは楽しくなくちゃ」「楽しくなるまで何回も行こうか」と、いつもの満面の笑みで指摘。その後スズ子が「あの、喉潰れてまいますけど……」と根を上げても「いいんじゃない? 潰れても」と笑顔で返すだけで、結局歌の出だしだけで500回も繰り返し歌わせていた。

いわゆる“厳しい師匠”のような立ち位置の役なのだが、主人公に何かしらの困難を与えるキャラクターは、物語序盤だと嫌われがち。ところが羽鳥は厳しいものの嫌味な圧などは感じられず、どこかコミカルな魅力がある。それは草なぎの演技によって、厳しさの中にまるで少年のような「音楽を楽しもう」というピュアな心が垣間見えるからなのかもしれない。

そのため主人公が慣れない“ジャズ”を歌うために試行錯誤するシーンも、雰囲気が重くなり過ぎず、純粋におもしろく見ることができる。物語を盛り上げるために、草なぎの演技が一役買っていたことは確かではないだろうか。その独特な演技に対して、視聴者からは「唯一無二な感じがすごい」といった声も上がっているようだ。


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