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UPDATE|2023/12/12

“奇跡の砂時計ボディ”辻りりさ、15年間バレエ漬けだった少女がグラビアデビューした理由

撮影/松山勇樹


このままプロのバレエダンサーになろうと考えていたが、怪我をしたことで目標を見失ってしまう。

「すぐに治るような怪我だったんですけど、ちょうどバレエ団に入団しようかなと考えていたタイミングだったので、『この道じゃないと神様が言っているのかもしれない』と思っちゃって、バレエをやめました。それから一、二ヶ月で焦って受験勉強をして、大学に入学して。大学在学中は、いろいろなバイトをしながらやりたいことを探していました」

大学時代はキャンパスライフを謳歌するというよりも、ストイックに勉強とバイトに励む日々だった。

「大学1年生のときは斜に構えちゃって、サークルに入るなんてチャラチャラしている人たちのすることだと思って、真面目に講義を受けていました。大学2年生になって、いろんな大学が集まるインカレなら面白そうだなと思って、イベントを企画するサークルに入ったんです。でも2、3回行って、やっぱり『イエーイ!』みたいなノリに馴染めなくて、結局行かなくなっちゃいました。

大学では真面目に講義を受けて、あとはバイトばかりしていました。家庭教師、塾の先生、理科の実験教室の先生、バレエの先生など、先生ばかりやっていたんですけど、SHIBUYA109のショップ店員もやりました。バイトに打ち込んでいたのは、大好きなお洋服を買うためもあったんですが、ほとんどは貯金。将来に対する漠然とした不安があったんですよね」

社会学部に通っていたのもあり、将来はジャーナリストになりたいという気持ちもあったが、小さい頃から身近にあったエンタメへの思いも断ち切りがたかった。

「高校時代は女子校に通っていたんですが、オタク趣味の子が多くて。それに影響を受けて、高校3年生で急にアニメを観始めたんです。それで声優さんのお芝居に興味が出始めて。杉田智和さん、中村悠一さん、石田彰さん、神谷浩史さん、津田健次郎さんといった、渋めの声優さんに惹かれて、その方々が出ているアニメを数珠繋ぎで観ていました。

そのうち自分も声のお仕事をしたいと思って、21歳のときに声優さんのオーディションを受けたんです。大きなコンテンツの一大プロジェクトで、声優のアイドルグループを作って、アニメもやって、ライブもやって、ゲームコンテンツにも繋がるという作品のオーディションでした。それに1位通過して、グループも結成して、私は主演の役をいただき、役名も決まっていたんです。ところが合格通知をいただいた2週間後ぐらいに、『やっぱり十代だけで組みたいです』と言われて……」

就活もして、内定ももらっていたが、オーディションをに合格したことで辞退していた。声優の話が白紙になって、宙ぶらりんの状態になった辻に救いの手を差し伸べてくれたのが、声優オーディションの審査員を務めていた作家の中村航氏だった。

「中村航先生が、あまりにも私がかわいそうだということで、ご自身が代表を務める小説投稿サイトを運営する会社で働かないかと声をかけてくださったんです。私は高校時代に小説を書いていたぐらい書くことが好きだったので、それに関わるお仕事はうれしいなと思って新入社員として入社して。広報みたいなことをやりながら、その会社がやっているYouTubeチャンネルで、小説のレビューや朗読をやらせていただきました」
AUTHOR

猪口 貴裕


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