スキャンダルやトラブルにより、活動自粛に追い込まれてしまう…。そんな報道がたびたび世間を騒がせる昨今、かつて自身も自粛生活を経験したことがある映画評論家の有村昆が、実体験から導き出した「自粛中」に効く映画を3本ご紹介。家にいて、ただ何もしていなかったらメンタルがやられてしまうだけ。それならせめて、こんな映画を観てみるのはいかがでしょうか!?(前後編の後編)
【写真】有村昆が選んだ“自粛中”の方に観てほしい映画3選【前編はこちら】有村昆が実体験から語る“自粛中”の方に観てほしい映画3選「本当に心に沁みた」前編で紹介した『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』は、過去を変えたとしても、1秒先の人生は誰にもわからないということを教えてくれた映画です。僕自身、失敗したからこそ、新たに出会えたこともたくさんありました。
僕が活動を自粛することになって、去っていく友達もたくさんいましたけど、逆にちょっと疎遠になっていた人から電話がかかってくることも多かったんです。会って話してみると、その人も過去に様々なトラブルを抱えていたことを打ち明けてくれたりするんですね。それで改めて仲良くなった人とかも増えて、人間関係が広がったというのはあります。
僕なんかは、たまたまタレントをやってるから、表にドーンと出て自粛ということになりましたけど、そうじゃなくても、みんないろいろあるんですよ。ダメなのは自分だけじゃないんだと勇気づけられました。
そういう意味でも観ていただきたい作品が『リトル・ミス・サンシャイン』です。初見の時は、皮肉の効いた家族ドラマというイメージでしたが、自粛中に見直すと、もっと深い部分での温かみを感じました。
何と言っても、出てくる登場人物が全員ダメダメな所がいいんですよ。メインのお母さんもちょっと偏ってるし、お父さんも叔父さんも、子どもたちもお爺さんも、誰もが何か欠陥を抱えている。そんな家族の末っ子が「リトルミスサンシャイン」という子供美人コンテストに出場することになり、マイクロバスに乗ってみんなで旅をするというロードムービーなんですが、笑えるし、泣けるし、共感ポイントがたくさん出てきます。
この家族は、それぞれダメな境遇から抜け出そうともがく。だけど事態はなかなか好転しない。だからこそミスコンテストで一発逆転を狙うんだけど、そう上手くはいかないわけです。