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UPDATE|2020/04/09

熱くて純粋な“青春”を描いた、劔樹人 原作映画『あの頃。』の時代──“モーヲタ”と呼ばれた男たち

『あの頃。男子かしまし物語』(劔樹人)

2000年代初頭。誰もがハロー!プロジェクトの曲を知っていた、あの頃。中でも、ハロプロ──モーニング娘。を愛してやまないディープな“モーヲタ”が放っていた熱量はある種異様だった。そんな当時のファンのリアルを描いた『あの頃。男子かしまし物語』(劔樹人)の映画化決定を受け、あの時代をもう一度振り返る。


「これは一般的なアイドルヲタクを描いた映画ではなく、ハロプロのヲタクをテーマにした作品。しかも“ハロヲタ”がまだ“モーヲタ”(モーニング娘。のファン)と呼ばれていた時代の話です。原作者としては、そのあたりのディティールに強いこだわりがありました」

そう語るのは原作者の劔樹人。ハロー!プロジェクトの応援に全精力を注いだ時代の自伝的青春コミックエッセイ『あの頃。 男子かしまし物語』(イースト・プレス)が映画化されるということで、アイドルファンの間で大きな話題となっているのだ(2021年公開予定)。

しかし劔の細かいこだわりは、今の若いアイドルファンにはピンと来ないかもしれない。なにせ当時のアイドル現場にはピンチケもMIXもガチ恋口上もTOもなく、それどころか握手会すらほとんど開催されていなかったからだ。接触イベントもないのに、どうやって推しを応援すればいいのか? そんな疑問の声も聞こえてきそうだが、それでも確かに青春という名の季節を現場で燃焼させる若者たちはいたのである。テキストサイトで自身の主張を展開し、mixiで仲間を募り、事務所非公認のDJイベントやトークライブで大いに盛り上がり、ヲタ芸のキレやヲタ系ファッションの過激さを競い合ったものだった。

それから月日は流れた。ハロプロの現場風景もすっかり様変わりし、今では会場によっては半分ほどが若い女性で埋まっている。それに伴ってか、ライブ中のジャンプすらも禁止されるようになった。この変化もまた、ハロプロが芸能界で生き残るためには必然だったのだろう。

CREDIT

文/小野田衛


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