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UPDATE|2021/07/03

昨季の好調と今季の不調…Mリーグ 魚谷侑未&近藤誠一が語る麻雀の難しさ

撮影/西邑泰和

昨季のMリーグで絶好調をキープし、レギュラーシーズン1位通過の原動力となった、セガサミーフェニックスの魚谷侑未と近藤誠一。しかし、先ごろ終了した今季Mリーグではともにポイントがマイナス、準優勝に終わった昨季の雪辱を晴らすどころか、レギュラーシーズン敗退の憂き目を見た。そのふたりが今季の敗因、そして麻雀業界の現在と未来について語りつくす。(前後編の前編)

――今季の結果は残念でした。

近藤 牌の巡り合わせが厳しい場面が多かったですね。たくさん勝てた昨シーズンと比べて、極端に周りが強くなったとか、うちのチームが弱くなったとかいう事ではないと思っています。

魚谷 反省すべきところが無いとは思いませんが、それが敗退の大きな理由ではなかったと思います。終盤にガタガタッと落ちてしまって。そこでも、どうにかできることは少なかったんじゃないかな、というのが正直な感想です。

近藤 麻雀のゲーム性として、昨季の好調と今季の不調、これくらいの上振れ、下振れはある、という風に受け止めてはいますね。

魚谷 最善を尽くした結果がうまくいい方向につながらなかった、というか。麻雀の内容が悪くなった、というわけではないですね。むしろ、チーム全体としてはどんどん良くなっているという認識で。

近藤 逆に言えば、昨シーズンはその巡り合わせがすごくよかったんですよ。勝負した牌やリーチ後につかんだ牌で全然振り込みませんでした。だから、4着回避率でトップを取れたり、連続無放銃記録も出たりした。自分は当時、取り立てて「4着を取らないようにしよう」とか「相手に当たり牌を振り込まないようにしよう」とか思いながら打っていたわけではなかった。本来、そんなにうまくはいかないはずなんです。だから昨シーズンはうちももうちょっと負けていてもおかしくなかったし、今季はそれが次から次へ悪い方に出て、結果、マイナスに終わってしまった。そんな感じです。

――ただそんな中でも、見せ場は作られました。特に近藤さんが出場したシーズン終盤戦、34日の第2戦でした。チーム状況的にも後がない状況から奇跡的なツモ上がりを見せて4着から大逆転トップを勝ち取った対局は今季のMリーグ全体の「ベストバウト」と言われ、ツイッターでも近藤さんの名前がトレンド入りしたりしました。

魚谷 あの日の誠一さんは、朝から雰囲気が違いましたね。

近藤 ははははっ。

魚谷 普段は出番の日でも多少はチームメイトと談笑したりするんですけど、やっぱり大事な日だったし、2試合連続登板も最初から決まっていて。集中されているというか、気合いをすごく感じました。

近藤 大一番でしたから、まあ、どうにかしようと思っていましたね。

――私も生放送を見ていましたがしびれました。控室のチームメイトの様子もツイッターで動画が公開されていましたが、ものすごい盛り上がりでしたね。

魚谷 やっぱり、麻雀プロは誰しもああいう瞬間のためにつらい時期を乗り越えていると思うんです。だから「かっこいいな」「すごいな」という気持ちと、「うらやましいな」っていうのも。そういう全部の気持ちがありました。正直、今季は私はそういう瞬間は一切なかったので(苦笑)。

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