昨季のMリーグで絶好調をキープし、レギュラーシーズン１位通過の原動力となった、セガサミーフェニックスの魚谷侑未と近藤誠一。しかし、先ごろ終了した今季Mリーグではともにポイントがマイナス、準優勝に終わった昨季の雪辱を晴らすどころか、レギュラーシーズン敗退の憂き目を見た。そのふたりが今季の敗因、そして麻雀業界の現在と未来について語りつくす。（前後編の後編）
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――Mリーグもスタートから3年経ちました。麻雀業界に与えた影響について、長年そこにいらっしゃるおふたりはどう感じていますか。
近藤 すごく大きいです。見てくれる人の数が圧倒的に増えましたから。特に一番、Mリーグの効果が表れたのは、ファンの中でもライト層の人たちが一気に増えたことでしょうね。いまＭリーグを観ている人の反応を見ると、なんなら麻雀を全然知らないのに選手のファンになってくれている人も見受けられますから。これはすごくありがたい事ですね。我々麻雀プロは母体となる所属団体がそれぞれあって、各団体のリーグ戦などを戦って、そこでタイトルを争ってきました。タイトルホルダーになると、麻雀業界内では有名になりますけど、やはり世間的には知らない人が大多数、そんな世界でしたから。
――プロだと名乗る以上は、どれくらいの人が試合を観ているか、麻雀プロの存在を認識しているか、というのが非常に重要だと。
近藤 そうですね。自分も当時、大声を挙げて、というわけではないですが内輪ではよく「本当の麻雀プロはまだどこにもいない」とよく言っていましたね。今のMリーガーのように年俸をもらったり、スポンサーがついたり、賞金だけで生活できる人、そういうプロは皆無でしたから。
――Mリーグが出来て初めて、麻雀だけに集中できるプロが生まれたわけですね。
近藤 そうですね、まあ、これからももっともっとそういうプロが増えていってほしいとは思っています。
――魚谷さんは、「年俸制のプロリーグができる」と聞いたとき、どう思われましたか。
魚谷 「夢の舞台」過ぎて、正直、ピンと来ていないところはありました。選んでいただいて、開幕して、「これは今までとは違う舞台だ」って実感できた感じですね。
