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UPDATE|2022/02/04

大食い・ロシアン佐藤が“人前で食べられなかった”思春期を語る「ギャル曽根ちゃんの存在は革命」

ロシアン佐藤 撮影・西邑泰和



──佐藤さんの場合、大食いとは言っても、汚く食い散らかすようなイメージは初期から一切なかったですけどね。

佐藤 でも、やっぱりテレビに出ると賛否両論いろんな意見が飛び出てきますから。今だったら私もスルーして流せますけど、あの頃は結構ナイーブだったので傷つきましたね。「美味しいものを美味しく食べたい」という気持ちは昔からあったものの、テレビに出たことでそのことをさらに強く意識するようになったんです。そもそも根本的な話として、私の場合は「勝負に勝ちたい」という気持ちよりも「美味しいものを食べたい」という欲が強かったんですよ。マイペースに食べ続ける私の姿を見て「トップを獲らなくていいのかよ?」とか言ってくれる人もいたんですけど、決勝戦以外は脱落しなければいいわけじゃないですか。

──足切りに引っかからなければ何位だってOKというルールですからね。

佐藤 そうそう。だから番組に出始めの頃は「次の食べ物を食べたいから勝ちたい」っていう、そんな浮かれた発想でいたんです。「これを食べきって、早く次の美味しいものを口にしたいな~」って感じで。

──もえあず(もえのあずき)さんは、番組出演に際して「タレントとして色をつけたい」「自分の所属するグループに還元したい」という明確なモチベーションがあったと語っています。

佐藤 私の場合、モチベーションは「美味しいものをいっぱい食べたい」。それだけでしたから。そのへんは他の大食い選手たちと決定的に違いますよね。とはいえ、そんな私も番組に出続けているうちに徐々に考え方が変わっていくんです。途中からは番組でファンになったという方も出てきて、「また出てほしい」「勝った姿を観たい」とか応援されると、私も期待に応えたいと思うようになりましたし。ただやっぱり私はタレントじゃなくて会社員だったので、番組に出る必然性があるかと言われたら特にないんですよね。

──佐藤さんは一般人でしたが、当時は大食い女子ファイターの「アイドル化」が進んだ時期でもありました。ビジュアル的にも可愛い選手が揃い、ビーチで水着姿になったりしていましたし。

佐藤 私の名前の由来になったロシアン帽もそうですけど(※番組出演時にロシアン帽を被っていていたことから「ロシアン佐藤」と命名された)、キャラクター化していただけることは素直にありがたかったです。それで視聴者さんに覚えていただけたという面はすごく強いと思いますし。当時はまだSNS黎明期だったけど、mixiで私のコミュニティを作っていただけたんですね。それが、すごくうれしかった! ただ一方で賛否両論があると、どうしてもアンチの意見のほうが強くて目に飛び込みがちだから、そこでつらくなったりもしましたけど。「いつも帽子なんて被ってアイドル気取りかよ。こいつ絶対に自分のこと可愛いと勘違いしているよな」とか。自分って可愛い!って思ってテレビに出ている訳じゃないのにな(笑)。(中編へ続く)

【中編はこちら】大食いレジェンド・ロシアン佐藤が語るライバル「一番衝撃を受けたのは菅原初代さん」
AUTHOR

小野田 衛


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